日本海軍 航空母艦「大鳳」の製作







「日本海軍 大鳳の簡単説明」

大鳳は1941(昭和16)年7月10日、川崎重工業神戸造船所で起工し、その後、呉軍港に回航され最終的な艤装を施され1944(昭和19)年3月7日に竣工した。
建造中にミッドウェー海戦での教訓に基づいて舷窓の減少、飛行甲板の重防御化、従来の12.7cm連装高角砲から65口径10cm連装高角砲へ変更、
艦首も飛行甲板を支える支柱が無いハリケーン(またはエンクローズド)・バウになっているのが大鳳の特徴。
1944(昭和19)年4月15日から第1機動部隊(小沢艦隊)の第1航空戦隊に編入され同艦隊の旗艦になる。
1944(昭和19)年6月18日に初陣の「マリアナ沖海戦」に参加したが、翌19日に米潜水艦アルバコア(SS-218)からの雷撃を受け
被雷から6時間後に大爆発を起こす。更に搭載していた燃料や弾薬による誘爆を繰り返し大爆発から2時間後の午後4時28分に沈没した。
竣工から沈没まで僅か3ヶ月という短命だった。

沈没位置 (北緯12度05分 東経137度12分) / 12.083; 137.2




 フジミから発売されている「日本海軍 航空母艦 大鳳」の製作を始めます。
 フジミからは船体が「フルハル仕様」で飛行甲板が「ラテックス仕様」、
 「ウォーターライン仕様」で飛行甲板が「ラッテクス仕様」と「木甲板仕様」の3種類が有ります。
 今回、製作に使用するのは船体は「ウォーターライン仕様」で飛行甲板は「木甲板仕様」です。
 それに加えてフジミから発売されている「大鳳」の専用エッチングパーツも使ってみます。
 キットとエッチングパーツの税込価格を記載しておきますので
 購入時に購入価格の参考にしてもらえたらと思います。

 【キット】
 フジミ 特ー42 日本海軍 航空母艦「大鳳」
 定価:3024円(税込)

 【エッチングパーツ】
 フジミ 1/700 日本海軍航空母艦 大鳳専用エッチング ディテールアップパーツ
 GUP-36
 定価:1944円(税込)







 フジミの大鳳専用エッチングを製作しながら各所に使用するので
 先に下地処理用のメタルプライマーを吹き付けます。
 愛用しているのは「アサヒペン」のメタルプライマー(非鉄金属用下塗り)です。
 エッチングパーツの外枠の余白部分をペンチで挟んで、挟んだエッチングが、
 横長にした場合なら「上、中、下」、縦長にした場合なら「右、中、左」の
 3分割吹き付けする要領で、エッチングとスプレーの距離は約30cmくらい。
 吹き付けはエッチングの表と裏(両面)をします。
 この時、吹き付け過ぎたり、スプレー距離が近過ぎると、
 マスト、レーダー、着艦標識などの繊細な網目部分がプライマーで埋まってしまい
 塗装時に塗料が抜けなくなるので注意して下さい。
 スプレーボタンの押し具合は全押しの半分で、エッチング片面を3秒で吹き付ける感じです。
 プライマーは無色なので一見すると「ちゃんと塗れているのか?」と不安になりますが
 大丈夫です。吹き付け直後はベタつくので不用意に触れたりしない様に。
 また乾燥させる時は、なるべく埃(ホコリ)がたたない所がベストです。
 このプライマーは100mlと300mlが有りますが愛用品は300mlです。






 船体に艦底板(部品C1)を接着しました。
 このキットは部品C1が船体の内側へハメ込む形になりますので接着する前に船体と
 充分な仮組みをする必要があります。
 接着にはGSIクレオスのMr.セメントS(流し込みタイプ)を使用。
 キットのままでも良いのですが高さが低い感じがしたので船体に部品C1を接着した後、
 タミヤの0.5mm厚プラ板を長さ364mm×幅40mmに切って
 その上に船体を乗せて船体外周の形を極細マジックで型取りします。
 型取りしたラインより1~2mm程度大きめに余分をカットしてから船底に貼り付けて
 固着したら船体の外周形状に合わせて余分をカット、接着面を耐水ペーパーで整形しました。
 船体の丸窓のモールドが浅い感じがしたので、ピンバイス0.5mm径で深彫りしています。
 もし船体を貫通してしまったら、船体内側からプラ板を裏打ちすると良いです。
 バラスト(おもり)は愛用のスーパーXGで接着しました。
 この接着剤は完全固着するのに1日かかりますが結構、強力です。
 ちなみにエッチングの接着にも、これを使っています。
 次にバラスト固定(部品C4)を接着して接着剤が完全固着したら、
 バラストが鉄製なので時間経過と共に船体内部で腐食して錆が発生するのを防ぐ為に、
 サーフェイサーを塗布しました。






 部品T16赤丸の所(4か所)にピンバイス1mm径の穴を開けます。
 フラグシップの超極細チェーン(黒)を6cmの長さに切ってA→B→C→Dの順にチェーンを通します。
 矢印が上向きの所は「部品T16の裏から表へ通す」、下向きの所は「部品T16の表から裏へ通す」です。
 この工程はキットを組んだ時、チェーンが船体内部に隠れてしまい殆ど見えないので製作者の自由で良いと思います。
 また作例では1mm径の穴を開けていますがチェーン径が0.9mmなのでチェーンを穴に
 通す時に少しキツイです。楽に通したいなら1.1mmで開口する事をお勧めします。
 穴を大きくした事でチェーンの通りが良い反面、遊びがあるのでチェーンの位置決めを
 キチンとしておく必要が有ります。
 AB間、CD間はMr.セメントS(流し込みタイプ)で軽く固着させています。
 穴を開けずに部品T16の上へ直接AB間、CD間にチェーンを接着する場合は接着力の強力な
 瞬間接着剤か作例で使用しているスーパーXGでシッカリと固着させて下さい。
 部品T16裏側のチェーン始点、通過部、終点は愛用のスーパーXGで固着させています。
 画像は上が部品T16の表側、下が裏側でチェーンを通す場合の参考にして貰えたらと思います。
 今回チェーンは黒を使用しましたが他のメーカー、または在庫によっては銀色や金色しかない場合も有ります。
 こんな時は部品T16へ接着する前に缶スプレーまたはエアーブラシなどで黒色塗装してから接着するすると良いです。






 キットの組み立て説明書では部品T16部品R20部品S39部品T14の順に接着してから船体へ接着。
 となっていますが、この方法だと部品T16と船体の接着面に接着剤が付けられないので
 全ての部品を完全接着させる為に部品T16部品S39部品R20の順で船体に接着。
 固着したら部品T14を接着する方法にしました。
 部品T14の裏には部品R20を差し込む穴が有りますが場所によっては穴が小さく部品R20が
 差し込みにくい所があるので全ての穴に部品R20を差し込んでみてチェックしておきましょう。
 穴がキツイ所はカッターで穴の縁を少しだけ削ると良いです。
 作例では中央列(4本)を部品T16へ接着、接着剤が固着しない内に部品T14を仮組みして位置合わせ。
 部品T16と中央列の部品R20(4本)が固着したら部品T14を外して残る4本を同じ要領で接着しました。
 部品T16に有る部品R20の接着位置と部品T14の穴をピンバイスで開口してプラ丸棒または
 真鍮線を貫通させる方法でも楽で良いと思いますが部品T14を船体に接着させる際に高さ調整を
 する必要があります。
 また黄丸の部分にはフェアリーダーがモールドされていますがフェアリーダーの穴がバリで塞がっていたので
 ピンバイスに0.5mm径のドリル刃を装着してフェアリーダー中央部に一旦、開口させたのち
 ドリル刃をヤスリ代わり前後にゴシゴシして穴を楕円形に成形しました。
 アンカーチェーンは見えないと思っていましたが船体に開けられた穴から覗くと見えたのでビックリでした。






 最初、このまま部品T14を接着しようと思い、船体に仮組みして船体側面の開口部より覗いて見ると
 反対舷の開口部より入り込んだ光で、チェーン固定や部品R20を接着する際に使用した
 接着剤が触れた部分に「テカリ」を生じていました。
 完成時に保管ケース、収納(ディスプレイ)棚などに入れて遠目に眺めたり、距離を置いて眺めるには
 何の支障も無いですが完成時に手に持って至近距離から見たり、艦首開口部から中を覗いたりすると
 この「テカリ」は船体が艶消しの事も有って気になります。
 その防御策として艦首内部と部品T14の裏側を一応、サフェーサーで下地処理してから
 エアーブラシで内側全体を軽く塗装しました。
 この部分を塗装するか、しないかは製作者の自由で良いと思います。
 塗装の主な目的は「テカリ消し」と「色調合わせ」なので塗装色は船体塗装色または、それに近い色がベストです。
 塗装方法はエアーブラシ、缶スプレー、筆など何でも良いです。
 エアーブラシや缶スプレーは塗膜が薄いので良いですが
 筆塗りの場合は塗料によるチェーンの目潰れ、部品T14の穴が塗料で埋まる事に注意して下さい。
 塗装するのが面倒だと言う場合には缶スプレーの「フラットクリアー(艶消し)」で処理しても良いでしょう。
 塗装が乾燥したら部品T14を接着します。
 前工程で部品R20の位置決めをしているので楽に部品T14を接着出来ます。これで艦首部は完了です。










 部品T17にもチェーンのモールドが有るので、ここも金属チェーンに交換します。
 パンバイスで赤丸の所に1mm径の穴を開けます。
 ここも1.1mmで開口した方がチェーンが楽に通りますが
 遊びが出来るのでチェーンの位置決めをシッカリしておきましょう。
 超極細チェーンを長さ20mmに切って裏は例の如く、スーパーXGで接着します。
 部品T17上面のチェーンは艦首の部品T16の時と同様に流し込み接着剤で固着させます。
 黄丸部品R23を取り付ける穴なのでチェーンで塞がない様に注意しましょう。
 上は部品T17の表面、下は裏面です。チェーンを取り付ける際の参考にして下さい。










 キット固有のクセなのか船体が変形していたのか部品T17を船体へ接着する時、右側を合わせると左側が浮き、
 左側を合わせると右側が浮く状態でした。
 そこで右側の膨らみが有る部分まで、流し込み接着剤で接着して固着したら浮いていた左側を
 クリップで挟んで船体に合わせて流し込み接着剤で艦尾の曲線部と左側を接着しました。
 流し込み接着剤は少量でも隙間に浸透する特性が有るのでクリップを使用する際には
 クリップの近くまで接着剤を流し込まない様に注意しましょう。
 挟んだクリップと甲板の隙間に接着剤が入り込んで最悪の場合、甲板まで浸食する危険性が有ります。
 次に部品T10を取り付けますが、これもまた右側はピタリと合ったにも関わらず、
 左側は黄線の部分で部品T17と干渉したので「ヤスリで削る→合わせる(仮組み)」を繰り返しました。
 この干渉部分は僅かなのでヤスリを使う時は「少し削っては合わせてみる」を心掛けましょう。
 100円ショップに有る「爪ヤスリ」が結構、使い易いのでお勧めです。
 あまり、ガシガシ削ると黄線部に隙間が出来てパテのお世話になるので注意しましょう。
 何故かの所には意味不明な四角い穴が出来るので、ここはパテ埋めしておきます。
 部品T17赤丸の穴は部品T18の取り付け穴ですが仮組みしてみると穴が小さかったので
 ピンバイス0.9mm径で穴を拡張しました。
 ここの穴は部品T18の足ダボが入れば良いので深く掘らなくて良いです。





 部品R11をランナーから切り取ったら船体の取り付け穴に仮組みします。
 この部品R11は接着用の突起が分かりにくいので突起を誤って切断しない様に
 ランナーから切り取る時は十分に注意しましょう。
 作例でのキットでは部品R11の突起を綺麗に整形したにも関わらず、船体側の穴が小さく入りませんでした。
 ピンバイス0.5径で若干、穴を大きくしました。
 キットの個体差が有るかも知れませんから部品R11が上手く船体に合う場合は、この作業は必要有りません。
 部品T18部品R23部品R11を接着します。
 接着剤が固着しない内に部品R23部品R11が船体の取り付け穴と合う様に位置決めを行います。
 位置が決まれば部品T18部品R23部品T18R11の接着部にのみ接着剤を
 塗って位置がズレない様に固着させます。
 ここも、この段階では艦首で部品R20を接着した時と同様に船体側には接着しません。
 部品T18部品R23部品R11が完全固着したのを確認したら
 飛行甲板支柱の部品R7部品R8をランナーから切り取り、船体と飛行甲板の取り付け穴に合うか確認しておきましょう。
 このパーツは取り付け用突起が小さい方が飛行甲板(上)側、スジが有る面が外側になります。
 飛行甲板(部品B1)を船体に仮組みしてして(輪ゴムは画像位置で)船体に仮固定します。
 部品T18部品R7部品R8を接着させ接着剤が固着しない内に部品B1と仮組みと位置決めをします。
 仮組みが完了したら支柱位置で飛行甲板側と艦底板側を指で軽く挟みの部分だけに接着剤を塗ります。
 ここも飛行甲板側、船体側には接着剤を付けず、このまま接着剤が固着するのを待ちます。




 上画像は部品T18部品R4部品R7部品R8部品R11部品R23を接着してブロック化した状態です。
 ブロック化した事で船体に接着した際に塗料が塗りにくい面を先に完全塗装させる事が出来ます。
 左横画像は、その裏面で部品T18には部品R4を接着する穴(赤丸)が有りますが、
 この穴も何故か小さかったのでピンバイス0.9mm径で穴を拡張しました。
 また部品T18のラッタル(階段)と部品R4の扉はエッチングパーツに交換するので切り取りました。
 キットを素組みする場合は、このラッタル(階段)をカットしない様に注意して下さい。









 艦尾の甲板部と部品T18のブロックの裏面をサフェーサー吹きしました。
 部品T18ブロックは裏面塗装を先に行う事が目的なので表面はサフェーサーは吹き付けていません。
 サフェーサーを吹く時は塗膜が厚くなるとモールドを潰す可能性が有るので
 軽く吹き付ける様に心掛けましょう。
 次からは、いよいよ船体の製作を進めて行きます。










 このキットは「舷外消磁電路」や「汚水捨て管」がモールドされていません。
 これらを取り付ける際には実艦の詳細が不明な分、推測になります。
 いくら推測になるとは言え、先に「舷外消磁電路」や「汚水捨て管」を船体に装着させると
 後から艤装パーツを取り付けた時に干渉したり、位置修正をする事にもなりかねません。
 なので、「下部艤装パーツ」→「舷外消磁電路」→「汚水捨て管」→「下部エッチング」→「上部艤装パーツ」
 →「上部エッチング」の順に取り付けて行きます。
 最初は船体右舷側の艤装パーツを一気に取り付けて「右舷側完成!」と行きたかったのですが
 注意する点が多々あるので、そこを踏まえて1パーツごと解説していきます。
 画像は部品T5部品D15部品R19部品S30を船体に接着した状態です。
 最初に部品T5を船体に接着するのですが「一発でピシッ!」と行きません。
 (注意1)部品T5に3ヶ所あるハメ込み用凸が船体側の凹に合う様に少し削って小さく調整します。
 (注意2)部品T5のバリを取るのですが部品T5の船体接着面が斜めになっているので
 「少し削って→現場合せ」を気長かつ慎重に繰り返しながら整形していきましょう。
 部品T5の接着時には「通路が一直線になっている事」、「艦首開口部床面と通路に段差を生じない事」、
 「船体に対して通路が水平になっている事」に注意します。
 この様な「長モノ部品」を接着する場合は前、中央、後ろの3ヶ所を少量の接着剤で「点付け」(仮付け)します。
 接着位置が確定したら部品T5の裏側を「MrセメントS」で本接着します。
 船体側の部品S30の取り付け穴も小さかったのでピンバイス0.9mmで穴を拡張しました。
 部品D15は小さいのでランナーからの切り離しには十分に注意しましょう。
 部品D15の形状が分からない場合は「軍艦装備 パラベーン」で検索してみて下さい。









 部品T4を船体に取り付けました。
 部品T4も前項の部品T5の接着時と同様に船体との接着ダボ(突起)の調整、
 部品T4の接着角度、船体との隙間調整など注意事項は同じなので詳細は省きます。
 ただ部品T5部品T4の接合点に段差が生じない事と
 後で接着する部品T20取り付け用の凹み、部品T4の支柱用凹み、支柱取り付け穴が
 縦に一直線になる(ズレない)様に注意して接着します。
















 部品T11を接着しました。
 このパーツにも船体取り付け用のダボが有るので接着前に船体側の穴に上手く入るか仮組みしてチェックしましょう。
 また部品T11にバリが有ると船体との間に隙間が出来てしまうので、この点も要チェックです。
 今回のキットでは穴が若干、小さかったのでピンバイス0.9mmで穴を拡張しました。
 部品T11を接着する際には前に接着した部品T4との繋ぎ部分に段差が出ない様にする事と
 部品T11の通路部分が水平になっているかに注意しましょう。
 部品T4を水平に接着していれば段差は殆ど出ません。
 もし段差が出来た場合は高い方の角を耐水ペーパーで均一にすると良いです。
















 部品T6を船体に接着した状態です。
 このパーツも船体接着前にはバリ取り、船体との十分な仮組みを行いましょう。
 接着時には通路が船体に水平になる様に、に段差が出来ない様に注意しましょう。
 これで右舷側の下部艤装は完了し、次は左舷側の下部艤装を行います。













 左舷も艦首側からパーツを順に接着して行きます。
 まず部品T2ですが簡単なバリとゲート処理をしただけで船体にマッチしました。
 だた、このパーツは全パーツ内で船体、飛行甲板に次ぐ「超ナガモノ」パーツで
 幅も小さい箇所が有るのでランナーからの切り離し、接着前の整形は丁寧にしましょう。
 あまり力を入れて整形すると「折れ」や「曲り」などのパーツ破損になるので注意です。
 接着前に部品D16取り付け用の穴が小さかったのでピンバイス0.5mm径で開口しました。
 これだけ長いと目測での直線接着は大変なので15cm程度の金尺(金属製のものさし)をガイドにしました。
 接着は艦首開口部の床面と部品T2の通路部が同一になる様にして先端部、
 全長の1/4、1/2、3/4、最後の計5ヶ所をMr.セメントSで点付けして仮接着します。
 この状態で前記した様に金尺を通路の上に当てて直線を、目視で通路が船体に水平になっているかを確認して
 位置決めが完了したら未接着部にMr.セメントSを流し込んで完全接着させました。
 部品T2が完全固着したら部品D16部品S31部品S32を取り付けていきます。














 部品T9を接着した所です。
 この部品も細く、薄いのでランナーからの切り離し、整形時にはパーツを破損させない様に注意です。
 部品T2部品T9の接合箇所です。
 部品T9を接着する際には、ここに段差が出来ない様に気を付けましょう。
 エッチングを使う場合は特に注意しないと、この段差が有る為に手摺りが上手く取り付け出来なくなります。
 ここも通路が船体に対して水平になっているかを接着時にチェックしておくのを忘れない様にしましょう。












 組み立て説明書では部品T8を接着後に部品S33を取り付ける様になっています。
 この方法だと部品S33を接着した時に部品T9部品S33または部品T8部品S33の間に隙間が出来たり、
 逆に部品T9部品T8の接着状態によっては部品S33が上手く収まらない可能性が有ります。
 この様な状態になれば部品S33の接着位置に合わせる為に部品T9または部品T8を削らなくてはなりません。
 組み立て説明書では部品T9部品T8部品S33の順になっている所を
 部品T9部品S33部品T8の順で接着しました。
 部品S33部品T8を接着する時には通路に段差が出来ない様に注意しましょう。
 部品T8の箱型モールドの所には何故かランナーゲート(ランナーと部品の繋ぎ)が有り、
 このゲート処理を適当にすると画像の様に跡が残ります。(画像ではワザと残しています。)
 ここは耐水ペーパー、必要に応じてはパテ+耐水ペーパーでゲート跡を綺麗に整形しましょう。
 船体の外周全体に舷外通路と高角砲の基部が接着完了出来たので、次は舷外消磁電路を取り付けていきます。








 大鳳の舷外消磁電路の資料が無いので想像で取り付けていきます。
 色々なメーカーから発売され、材質も真鍮製(金色)と白金製(銀色)の舷外消磁電路が有ります。
 真鍮製は柔らかいので繋ぎ目が少しズレたりしても「つじつま合わせ」が楽ですし、
 カッターで簡単にランナーから切り離しが出来ます。
 その反面、ランナーから切り離し時やチョット引っ掛けただけで曲ったり、
 時にはピンセットで挟んだだけ、接着時に指で押さえただけでもその部分から曲がる事が有ります。
 白金製は真鍮製に比べ硬いのでランナーからの切り離しやゲート処理は楽ですが
 繋ぎ目がズレた時には真鍮製の様に融通が利きにくいのが欠点です。
 また曲面に取り付ける際には接着箇所の形状に十分に合わせ、かつシッカリと接着しないと
 隙間が出来たり、時間経過と共に反発力で剥がれる事も有ります。
 今回、使用したのは「ファイブスター 日本海軍舷外消磁電路 FS71003」(真鍮製)です。
 取り付けには愛用のスーパーXGを使用しています。
 解説にはパーツNo.を記載しますので、同エッチングを使用される際には参考にして貰えたらと思います。
 右舷艦首からスタートします。最初に取り付けたのはパーツ7です。
 舷外消磁電路はエッチングで無くてもMr.セメントSで楽に接着出来る「伸ばしランナー」や
 エバーグリーンなら品番100(0.25mm厚×0.5mm幅)、
 プラストラクトなら品番MS10(0.3mm角棒)を使っても良いです。
 大鳳の舷外消磁電路のパターンは正確な資料が無いので作例(想像)と同様にしなくても
 他の空母の消磁電路パターンを参考にしても良いと思います。





 まず部品S30の下にパーツ2を接着します。
 パーツ2は、ひらがなの「ひ」の様な形をしています。
 接着時には左右の横棒が水平になる様に接着しましょう。
 パーツ2パーツ7間の直線はパーツ1を使用します。
 舷外消磁電路は横のラインと留め金を表現した等間隔の小さな縦ラインが有ります。
 パーツ7の端に縦ラインが有るのでパーツ7と繋ぎ合わせるパーツ1側は縦ラインをカットしておきます。
 そしてパーツ7との繋ぎ目は隙間が出来ず、一直線になる様にパーツ1を接着します。
 使用する瞬間接着剤がゼリー状のモノなら良いのですが速乾性のモノなら特に、この点には注意しましょう。
 次にパーツ2の艦首側の端とパーツ1が合わさった(ダブった)位置をカッターで軽く押さえると簡単に切れます。
 これも真鍮製の良い所です。
 パーツ1を接着する際には上下に波打たない(極力、直線になる)様に接着しましょう。
 また舷外消磁電路自体が細いので接着剤を付け過ぎると接着剤がハミ出るので注意しましょう。
 余ったパーツ1は短い直線部分で使用可能なので破損や紛失防止を兼ねて
 開き箱などに入れて一時保管しておきます。













 舷外消磁電路を艦首側から続けて貼り付けて行くとパーツ2の位置決めが難しくなる可能性が有るので
 先に部品T11の下部にパーツ2を接着しました。
 ここも部品S30下の時と同様にパーツ2が斜めになってないか、横棒が水平になっているか、
 前後で同じ高さ(接着位置)か、チェックしておきましょう。

















 部品S30部品T11の艦首側間に舷外消磁電路を貼り付けて行きます。
 最初は部品S30下のパーツ2パーツ1を丸々1本貼り付けます。
 パーツ1は長いのでランナーから切り離す時には折り曲げ、ねじれ等に注意しましょう。
 パーツ2には留め金部分が残っているので繋げるパーツ1側は取り付け前に留め金部分をカットします。
 パーツ1の取り付け時にはパーツ2との繋ぎ目に段差が出来ない様にする事と
 上下に波打たない様にする事に注意しましょう。
 また艦橋下部分は船体外板形状が膨らんでいるので、ここは特に慎重に作業しましょう。














 パーツ1を貼り付け完了した時、パーツ1パーツ2の間には約2mm程度の高低差が出ました。
 ここで、この高低差に合うパーツ4を利用して自然な形状にします。
 パーツ4はダウン用(左)とアップ用(右)の2種類有ります。
 パーツ1パーツ2の高低位置を比べるとパーツ1の方が低いのでパーツ4(右)を使います。
 パーツ4(右)とパーツ2間の直線部分はパーツ1を丸々1本使います。
 ここも長さを測って正確にカット出来たら良いのですがピッタリにするのは、なかなか難しいです。
 そこでパーツ1の端をパーツ4に合わせて接着した後、例の「ダブりカット方式」で対応します。
 このダブりカットしたにも関わらず隙間が開いてしまったら慌てず、
 隙間はそのままにしてパーツ1を完全接着させましょう。
 ここも直線なので舷外消磁電路の歪みには注意します。
















 部品T11の下に前もって接着していたパーツ2の間にパーツ1を取り付けました。














 艦尾の舷外消磁電路の通し位置が左右でズレるのを防止する為に艦尾から取り付けていきます。
 使用したのはパーツ5(左)です。
 この部分は曲面になっていますから、接着前に外板形状に合わせてエッチングを少し曲げておきましょう。
 エッチングを曲面形状に曲げる時はカッティングマットの上にエッチングを置いて、
 その上で丸棒を指で軽く押さえながら転がすと簡単に曲ります。
 あまり丸棒に力をかけると「キツイ曲げ」になってしまうので注意しましょう。
 「少し曲げる→合わせてみる」を何回か繰り返していくと良いです。
 ある程度、外板の曲りに合う状態になったらの部分を先に接着します。
 この時に片方が浮いて(外板から離れて)いても気にしないで良いです。
 先に接着した方が固着したら浮いてる方を接着します。
 画像の様に接着剤が固着するまでマスキングテープで接着箇所をサポートしておきましょう。
 こうする事で固着するまでにエッチングが剥がれたり、隙間が出来たりする事が防げます。
 愛用しているマスキングテープは 3M 234J Plus マスキングテープ です。
 このマスキングテープは粘着力が強過ぎず、弱過ぎずで丁度良いです。












 当初の予定ではパーツ5(左)→パーツ1パーツ13パーツ1パーツ2と行くつもりでした。
 一応、接着する前に何度も舷外消磁電路の通り道をチェックしたのですが実際にパーツを接着してみると
 予想外にパーツ13が下がり過ぎていて部品T11の艦尾側に接着したパーツ2と高低差が出てしまいました。
 そこでパーツ4(左)で舷外消磁電路の通り道を下げて高低差を無くしてみました。
 結果、消磁電路は複雑な感じになってしまいましたが赤丸の所は機銃座支柱の部品S9部品S13
 ハメ込む穴で、そこを回避する事が出来たので結果オーライとしました。












 艦尾中央にはムアリングパイプと呼ばれる穴がモールドされています。
 艦尾に消磁電路を回り込ませる時には、この穴の上側を通す様にしましょう。
 艦尾の曲面が一番キツイ所で、ここは余ったパーツ1を使います。
 右舷側も左舷側と同じ位置に後でパーツ5(右)を接着しますからパーツ5(右)の貼り始め位置を
 船体にマークしておきます。
 次に左舷側のパーツ5(左)の終点から船体に付けたマークまでパーツ1を仮当てします。
 マークの位置がパーツ1の留め金の位置が合っていれば、その位置でパーツ1をカットします。
 もしマークの位置とパーツ1の留め金の位置がズレていた場合は
 パーツ1の留め金を1コマ分、長く取るか、短く取るかにして留め金のピッチ(間隔)を
 維持出来る様に調整しましょう。
 パーツ1の長さが決まればカットして艦尾の曲面に合う様に丸棒で巻クセを付けてから
 接着します。ここもパーツ5(左)の終点にパーツ1を合わせて接着したらマスキングテープ作戦で
 接着位置(繋ぎ目)をキープします。
 作例ではパーツ1の最初を接着してマスキング止めして固着したら、中間を接着してマスキング止め、
 固着したら最後を接着してマスキング止めの3回に分けて貼り付けています。












 ようやく舷外消磁電路の貼り付けが半分完了して、いよいよ左舷側に回り込んで来ました。
 パーツ5(右)を接着しました。
 ここも艦尾ほど、キツくは無いですが曲面なので接着前に少し丸みを付けておきましょう。
 一応、剥がれ防止の為に先に接着したパーツ1とズレない様に接点を接着してマスキング止めして
 接着剤が固着したらパーツ5(右)の終点を接着させ、同様に固着まで剥がれ防止のマスキング止めしました。

















 前項の続きで消磁電路を貼り付けて行くと部品S33の下にくるパーツ2の位置がズレる可能性が有るので
 先に部品S33の下にパーツ2を接着します。
 左舷艦尾と同し要領で貼り付ける為にパーツ4(右)で消磁電路を下げる形としました。

















 パーツ5(右)は船体外板の曲面部に接着しているので一見、接着出来ている様でも
 接着不良が有ると次の消磁電路パーツの接着時やちょっとした衝撃で船体から剥がれる事が有ります。
 パーツ5(右)が完全に船体に接着されているかチェックしておきましょう。
 次はパーツ5(右)にパーツ1を繋げる形で接着します。
 この時にパーツ5(右)の終点位置が右舷と同じなら、右舷側同位置のパーツ1の長さで良いのですが、
 もし終点位置がズレているとパーツ1を同じ長さにした時、パーツ5(右)のズレている分だけ
 パーツ1の最終位置が右舷と左舷で前後(位置ズレ)してしまいますから注意しましょう。
 ズレが有った場合、このズレを修正するには右舷側のパーツ1がどこまで伸びているかを見てみましょう。
 そこを始点(または終点)として左舷艦尾のパーツ5(右)までの長さでパーツ1をカットして接着したら良いです。















 艦尾側のパーツ1の先にパーツ12を接着します。
 この時にパーツ12の艦首側(下がった方)がパーツ4(右)の先端と同じ高さになる様にします。
 この高さにズレが有るとパーツ12パーツ4(右)の間に接着するパーツ1が真っ直ぐにならないので注意しましょう。


















 艦尾側からパーツ1を伸ばして(貼り付けて)来た時に部品S31部品S32の所で
 パーツ2の位置がズレる可能性が有るので、この部分を先に接着しておきます。
 こうする事で後から接着するパーツ1の長さ調整をするだけで良いので楽です。
 パーツ2は、ひらがなの「ひ」の様な形をしていますから全ての横棒が一直線になる様に。
 特に部品S31下の艦尾側の横棒と部品S32下の艦首側の横棒の間は直線部分が
 短いので極端にズレたり、段差が出来ない様に気をつけましょう。














 部品S33下のパーツ2から艦首(画像向かって左)側へパーツ1を貼り付け、消磁電路を延長させました。
 画像中の赤丸は機銃甲板下に取り付ける支柱の接着穴です。
 艦首(左)側から1~4番目は消磁電路の通り道から外れているので支柱接着時に支障は有りませんが
 5番目の穴は消磁電路の近くに有るので注意が必要です。
 パーツ1を延長接着する際には支柱取り付け穴を消磁電路で塞がないか事前に通り道をチェックしておきましょう。
 もし、どうしても取り付け穴を塞いでしまう場合や取り付け穴と消磁電路が近過ぎてしまう場合には
 部品S33下のパーツ2の次に同セットに有るパーツ4(左)またはパーツ5(右)を利用して
 消磁電路の通り道を変える(下げる)と良いです。
 消磁電路の通り道を下げた場合は適当な位置でパーツ4(右)またはパーツ5(左)で
 元の高さに戻しておきましょう。
 ここもパーツ1が極力、一直線になる様に慎重に貼り付けていきましょう。














 部品S31下と部品S32下のパーツ2パーツ1で繋げました。
 次に前項で延長してきたパーツ1を更に延長させて部品S32下のパーツ2と繋げました。
 赤丸の所にも支柱取り付け穴が有りますから注意しましょう。

















 右舷艦首に取り付けたパーツ7と同じ位置にパーツ8を接着します。
 ここは右舷の時と同じく艦首フレアー(絞り込み)の部分なのでパーツ8を事前に
 貼り付ける場所の形状によく合わせておいて接着するか、
 上段(開口部付近)の直線部分を接着しておいて固着後に斜めの部分を接着→固着、
 下段直線部分を接着する「分割接着」でも良いです。
 接着面積が小さく、力が掛かる曲面部に金属パーツを接着する時、接着直後はシッカリと接着出来ている様でも
 時間経過と共に一部が浮いたり、剥がれたり、接着出来ていない事が有ります。
 これを防止する為にも接着剤が完全固着するまではマスキングテープで補助してやると良いです。
 パーツ8が接着出来たら、パーツ1を貼り付けて行きます。












 艦首にパーツ1を回り込ませて貼り付けました。
 艦首にはアンカーを通す穴(ホースパイプまたは通称:目玉)と
 沖でブイ係船する時に使用するムアリングパイプと呼ばれる穴がモールドされています。
 消磁電路を貼り付け(接着)に関して最初の方で「詳細な資料が無いので製作者の自由(任意)」で良いと
 記載しましたが艦尾の時と同様に、艦首に有るこの2つの穴の所も上側を通します。
 貼り付けは右舷から左舷でも、左舷から右舷でも作業がやりやすい方法で良いです。
 艦首部は艦尾と違って曲面もきつく、フレアー(下から上へ向かっての広がり)も有るので
 貼り付ける時には時間を掛けてでも慎重かつ確実に接着させましょう。
 消磁電路の接着が完了したら部品R13(アンカー)を右舷、左舷、艦尾の計3ヶ所に接着します。
 部品R13の中央には棒(シャンク)がアンカーに対して斜めになっています。
 これは穴に差し込んで接着する為なんですが、このままでは棒が長く部品R13が上手く接着出来ません。
 なので部品R13の棒を少し短くカットして接着しました。










 キットの船体には汚水捨て管のモールドが無いのでエバーグリーンの細切りプラ材を使用しました。
 使用したのはEG110EG112です。
 EG110は長さ5mm×2、EG112は長さ5mm×2、長さ3mm×6、長さ2mm×10を
 作って右舷と左舷に半分ずつ分けて全体のバランスを考えながら接着していきます。
 この汚水捨て管も正確な資料が無い分、「それらしく」自由に接着したら良いです。
 消磁電路の繋ぎ目に出来た隙間や船体に出来た小さな傷の有る場所に不良個所隠しを兼ねて
 汚水捨て管を接着しても良いです。
 EGプラ材が無い場合はタミヤの0.3mm厚プラ板や0.5mm厚プラ板を細切りにしたモノを
 代用してもOKです。
 汚水捨て管は右舷と左舷で同じ場所へ接着するより、右舷と左舷で位置を変えて接着すると
 兵装配置が左右非対称の空母では意外と良い感じになります。








 船体右舷側の舷外通路にエッチングの手摺りを接着していきます。
 エッチング手摺りは部品S21部品S22部品S23の下部に有る支柱位置が決まらないと
 上手く取り付けられませんから先に部品S21部品S22部品S23を接着します。
 実際に接着してみると部品S21部品S22の高さより部品S23の高さが低くなっていました。
 部品S23の下にプラ材で作ったスペーサー(かさ増し材)を接着して部品S21部品S22部品S23
 高さを揃えました。
 全ての高角砲座に言えますが砲座下の支柱とサポートの中心線が合う様に接着しましょう。
 高角砲座には船体取り付け用の凸が有りますが、これをカッターで削っておくと位置修正が楽です。
 接着順としては部品S21部品S22を先に接着してから部品S23を仮組みしてみて、
 高さチェックをしましょう。高さは部品S21部品S22を基準にします。
 エバーグリーンのプラ材なら0.25mm厚、0.4mm厚、0.5mm厚、1mm厚など
 厚みの種類が豊富なので簡単に高さ調整が可能です。
 エバーグリーンのプラ材が無い場合はタミヤから0.3mm厚、0.5mm厚、1mm厚のプラ板が
 発売されているので、これらを縦5mm×横5mmに切ったモノを部品T5の上に置いて、
 その上に部品S23を乗せて、組合せを色々変えて高さ調整をすると良いでしょう。
 ほんの少し高い場合は耐水ペーパーや爪ヤスリなどで少しずつ削って高さ調整をします。







 右舷艦首から手摺りを取り付けていきます。
 エッチング手摺りは「通路の床面に垂直に接着する方法」と「通路の横(厚み)面に接着する方法」が有ります。
 どちらの方法で接着するにしても接着前に接着場所の形状に合わせておく事は共通必須事項です。
 前者の場合、事前調整したにも関わらず接着途中で曲げ位置がズレていてもピンセット2つで
 手摺りを挟んで曲げ位置を簡単に修正が可能ですが接着面積が少ないので
 接着不良、衝撃に弱い、接着剤の付け過ぎによる汚れなどを起こし易いです。
 後者の場合は接着場所が通路の横(厚み)面に接着させるので接着面積も大きく、接着強度も保持できます。
 その反面、曲げ位置や形状がズレた時の修正が厳しいのが難点です。
 何度も修正をしていると最悪時には手摺りがガタガタになります。
 垂直面に直立接着させる場合には主要箇所に補強材(ガイド)を付けると横面接着の強度には勝てませんが
 何も無い直立接着に比べると格段に接着強度が上がります。
 画像の箇所がガイドとして愛用しているプラストラクトのMS-10です。
 補強材は通路のギリギリではなくエッチングの厚み分、内側に接着します。
 接着直後であれば「縫い針」で簡単に微調整が可能なので重宝します。









 ここからはフジミから発売されている「大鳳専用エッチング」(GUP-36)を多用します。
 専用エッチングのNo.を画像内に表示しますので、同エッチングを使用する際の参考にして下さい。
 また、注意点やチョットした修正を踏まえて解説していきます。
 エッチング手摺りを接着する時は、出来るだけ接着場所の形状に合わせましょう。
 完成時の見栄えにも影響するので通路に対して垂直になる様に接着しましょう。
 部品T5の艦首側に31を接着しました。
 ガイドを付けた分、接着姿勢も維持し易く、通路上に垂直接着しても強度と安定感が有るので良いです。
 補強材を接着させる場所、長さ、数は製作者の自由で構いませんが
 部品T5に限らず、舷外通路にはボートダビットのハメ込み穴や機銃座支柱と干渉する穴が
 開いていますから、そこには補強材を接着させない様にしましょう。
 また角度が付いている場所や曲面(カーブ)になっている所も
 補強材の接着は避けましょう。












 の所は舷外通路に機銃座支柱の干渉する穴とボートダビット接着用の穴が開いている所です。
 部品T5の後半から部品T4の部分は28を接着します。
 この28は、とても長いのでエッチングランナーから切り取る時、破損に注意しましょう。
 舷外通路の部品T5部品T4の繋ぎ目が段差になっていて28も中間辺りに段差の表現があります。
 一番左の矢印辺りが段差(繋ぎ目)部分になります。
 ここを先に舷外通路に合う様に折り曲げて、基準点にします。
 次に通路に合わせてみて3段ある手摺りの内、穴の位置の下段のみをカッターでカットします。
 エッチング手摺りの支柱間でカットすると良いです。
 部品T5には4ヵ所、部品T4には3ヶ所あります。














 部品T11の所も補強材を接着してから26を取り付けました。
 はボートダビットを接着する為に通路に凹みが有る所です。
 26を接着する前に現場合せをして凹みの部分の下段をカッターでカットしておきましょう。
 左側のは凹みの位置がちょうど手摺りの支柱と重なったので
 支柱は1段分、下段は支柱と支柱の中間で変則カットしました。
 ※右と左の↑で手摺りのカット方法が違う事に注意。












 艦尾の手摺り破損を防ぐ為、先に格納庫外板を製作します。
 部品S40部品T15を船体に接着しますが緑丸箇所のボートデッキ上に部品D4
 接着する様になっています。この部品D4が何なのか謎です。
 部品D4部品S40部品T15の順に接着した方が楽です(作例では後付けにしています)。
 特に筆塗り派の方は部品D4緑丸の床面と壁面、右舷側のボート格納場所を
 事前に塗装しておいてから部品S40部品T15を接着する事をお勧めします。
 横から見て部品S40に対して部品T15が直角になる様に接着しましょう。
 エッチングパーツは117293099の順に接着しました。
 結果2999の間に隙間が出来てしまいました。
 この隙間を無くすには309929の順に各パーツを右詰め接着します。
 右詰め接着をすると29より左側に部品T15が1mmくらいハミ出るので
 このハミ出し部分をカッターまたはヤスリで29のラインと合わせると良いです。
 この作業をする際には29を剥がさない様に、傷めない様に慎重に行いましょう。
 ちなみに117はMr.セメントS(流し込みタイプ)で接着しています。












 25を取り付け後に部品D17を接着すると手摺りの上部と部品D17の下部が干渉します。
 先に部品D17を接着して固着後に部品D17の下部を画像の様に少し斜めに削っておきます。
 部品D17の下部を先に削ってから船体に接着しても構いませんが
 部品D17が小さいので船体に接着してから削った方が楽だと思います。
 25を取り付ける舷外通路もの位置に凹みが有るので、
 25を接着する前に現場合わせをして支柱下段をカッターでカットしておきましょう。

















 艦尾に手摺りを貼り付けます。
 この部分が手摺り貼り付け箇所の中で最大の難所です。
 の所にはフェアリーダーのモールドが有りますが形が悪く、これがクセ物です。
 ここをカッターで削ってプラ材で作り替えるか画像の様に貼り付けるかでないと上手くいきません。
 3233はダブルカーブになっているので取り付け前には入念に形状合わせをしておきましょう。
 96は接着強度を考慮して部品T17の先端にある突起に直貼りしました。
















 2324を接着しました。
 ここは舷外通路に支柱が干渉する凹みも無く、直線なので楽に接着が出来ます。
 23の左側は高角砲座裏の三角片と干渉する場合には三角片をカッターで少し削っておきます。
 24は前後に折り曲げ箇所があるので貼り付け前に現場合わせをしておきましょう。
















 部品T2部品T9には15を接着します。
 他のエッチングパーツは折り曲げ箇所が分かり易いのですが、
 手摺りに関しては15に限らず折り曲げ箇所が分かりにくいです。
 15はとても長いのでエッチングセットから切り離す時には破損に注意しましょう。
 15を折り曲げる目安は1ヶ所だけ手摺りが一段になっている所が有るのでそこを基準にしたら良いです。
 折り曲げは画像を参考にして頂けたらと思います。
 部品T2の出っ張り部分の艦首側は出っ張り形状に合わせ、艦尾側は直線貼り付けにしました。
 15を接着する部品T2部品T9には支柱用の凹み()が何か所も有ります。
 接着前に現場合わせをシッカリとして凹み部分は15の下段のみをカッターでカットしておきましょう。
 15を接着する時には一気に接着するより少しずつ確実かつ気長に接着した方が良いです。














 02を接着しました。
 02の接着場所にも凹み()が有ります。
 凹みが手摺りの支柱間に有れば手摺りの下段のみをカッターでカットすれば良いのですが、
 凹みと支柱位置が同じ場合は手摺りを緑丸の様にカットすると良いです。















 舷外通路の最後の手摺りを接着しました。
 01には大きく折り曲げる所は無いですが舷外通路の幅が変化しているので
 現場合わせでの軽い折り曲げが必要です。
 接着前に部品D1601が干渉しないかもチェックしましょう。
 もし部品D1601が干渉して01が通路から浮いてしまう、または通路から01がハミ出してしまう
 などの不具合が出た場合は部品D16と01が干渉する部分を少しだけ削ると良いです。
 部品D16を削る際には力を入れ過ぎると舷外通路が脱落(破損)する可能性が有るので注意しましょう。
 また通路の先端はキットパーツ形状に合わせず折り曲げ処理しました。
 折り曲げ処理すると通路の先端形状と01形状にズレが生じます(緑丸部分)。
 この部分は01が固着後に舷外通路を01に合わせてカッターでカットします。
 筆塗装派の場合は、この段階で船体も含め全体を塗装しておいた方が良いです。







 いよいよ機銃甲板、ラッタル、兵員待機所などの艤装品を取り付けていきます。
 これより画像内にはエッチング部品No.のみ表記します。
 ここからは機銃甲板とそれを支える支柱が加わってきます。
 支柱が複数有る場合には接着場所間違い、部品紛失、破損を防ぐ為にも
 面倒でも1本ずつランナーから切り出して確実に接着しましょう。
 まず部品T12部品S7部品S16部品S34の順に接着しました。
 部品T12を接着する際には船体に仮組みして隙間が出来ない様にしましょう。
 支柱の部品S7部品S16部品S34はランナーから切り離す時には破損に注意。
 ちょうど支柱の部分にランナーゲート(ランナーと部品の繋ぎ)が有るので下手をすると
 支柱を折ってしまう可能性があります。
 このゲート処理には「直刃爪切り」か先細のニッパーでゲートのギリギリでカットして
 カッターで整形すると良いです。
 また支柱上部には部品T12との接着用、下部には船体取り付け用の突起が有るので、
 部品T12が固着しない内に支柱を付けると楽です。部品T12は水平になる様に接着しましょう。
 機銃甲板を接着したら27部品R16129の順に取り付けていきます。
 素組みの場合は部品R16の階段を切り取らない様にしましょう。
 部品R16の取り付け穴が小さいのでピンバイス0.6mm径で穴を拡張しました。
 129の左には部品S29を飛行甲板接着後に取り付けるので129は角度を付けて接着します。
 ラッタルは船体に密着させて船体側の手摺りにMr.セメントSを流し込み接着します。






 部品T20には起倒式マスト用のガイド(4つの凸)がモールドされているので艦尾側の2つをカッターで削ります。
 ※素組みの場合は削らず、全ての凸を残しておきましょう。
 部品T20部品S11部品S12部品S14を船体に接着します。
 まずエッチングは22701352120134の順に取り付けていきました。
 特に2022は小さいので切り出す時には破損や紛失に注意しましょう。
 部品R9部品R14部品R18取り付け穴が船体に開いていますが、
 この穴も少し小さいのでピンバイス0.6mmで穴を拡張しました。
 部品R9部品R14部品R18の階段部分カットして整形後、船体に接着します。
 素組みの場合はランナーから切り取る際に、この階段が折れやすいので注意して下さい。
 最後に125126127128を接着します。
 125126127128134135は船体側に階段の手摺りを密着させて
 そこにMr.セメントSを流し込めば良いです。
 この部分はキットパーツとエッチングが複雑に混在する場所なので接着する際には手順に注意しましょう。












 部品S25にも起倒式マスト用のガイドが有るので艦尾側2つの凸を削ります。
 ※素組みの場合は削らず、全ての凸を残しておきましょう。
 まず13217を接着します。
 次に部品S25701819122133を接着しました。
 部品R17は両端にある階段を切り取って、切断面を整形しておきます。
 船体に部品R17取り付け用の穴が有りますが、ここも穴が小さいので
 ピンバイス0.6mm径で穴を拡張してから部品R17を接着しました。
 部品R17が固着したら123124を接着します。













 部品T19部品S9部品S13部品S15を船体に接着します。
 部品S9部品S15は上手く接着出来ましたが、なぜか部品S13緑丸)は合いませんでした。
 作例では船体(下)側の接着位置と矢印Bをそのままにして接着し、
 機銃甲板(上)側を部品T19に合わせる為に矢印Aの位置で強制的に曲げて接着しました。
 ここは矢印Bの長さを現場合わせで短くカットすれば部品S9と同じ様に接着出来ると思います。
 部品R15の取り付け用の穴もピンバイス0.6mm径で拡張して部品R15を接着しました。
 あとは16119131を取り付けました。
 特に16は小さいのでカットする時は「飛び」による紛失には気を付けましょう。

















 先に製作しておいた艦尾機銃座を艦尾に接着しますが、接着してから塗装すると艦尾機銃座の裏や
 機銃座下の甲板に塗料が回らない(塗り残し)が発生します。
 この部分は「筆塗り派」、「スプレー派」、「エアーブラシ派」に関係無く、接着前に塗装を済ませておきましょう。













 艦尾機銃座を船体に接着して、固着したらエッチングを取り付けていきます。
 118部品R15から部品T15へ斜めに掛かるラッタルですが
 部品T15の手摺りが邪魔して上手く取り付けが出来ませんでした。
 そこで手摺りの赤矢印の部分を1~1.5mmほどカットして118を取り付けました。
 一度、接着した手摺りの一部を切除するに「鼻毛切り用」のハサミを使用しました。
 「鼻毛切りハサミ」は先が丸くなっている物ではなく、尖ったタイプを使います。
 「鼻毛切りハサミ」で手摺りの1段目と2段目を切り、3段目はカッターを少し強く押し当てます。
 上手く行けば、この段階でカット出来ます。
 もし、上手くカット出来なかった場合は前記した様に1段目と2段目はハサミで完全切断されて
 3段目はカッターで折れ目が出来ているのでピンセットで曲げ戻しを何回か繰り返すとカット出来ます。
 ここの手摺りのカット作業は下手をすると手摺りが剥がれたり、船体側の手摺りが損傷したり
 するので焦らず、慎重に行いましょう。
 艦尾機銃座の方は1163436979835の順で接着しました。
 支柱間の3436979835は隙間が無い様に接着しないと上手く収まらないので注意です。
 特に9798は確実に「コの字」型になる様に曲げましょう。







 この部分は組み立て説明書で言う「E」の部分になります。
 部品D19の接着には手摺りがギリギリなので慎重に行いましょう。
 部品T3の凸と船体側の凹の深さが合わなかったので
 部品T3の凸の出っ張りを直刃爪切りで半分にして凸の横幅もカッターで少し削りました。
 更に左から1番目と2番目の支柱の間に有る箱状の構造物と部品T3が干渉して
 部品T3が水平に接着出来ませんでした。
 ここは、この箱状の上部を「少しずつ削りながら部品T3を仮組み」の繰り返し作業を行って
 何とか部品T3を定位置へ水平に接着する事が出来ました。
 部品T3を接着したら、接着剤が完全固着しない(支柱接着時の調整が可能な)内に
 部品S3部品S8部品S17を接着します。
 部品S3部品S8部品S17をランナーから切り取る際には破損に注意しましょう。
 部品T13を船体に接着して、14を「コの字」型に曲げてから接着剤を14の上面に塗ります。
 ピンセットで、だいたいの位置へ持って行って「つまようじ」か「縫い針」で
 接着位置の微調整をすると楽です。
 注意点として14は曲げ位置が長い方と短い方が有ります。曲げ位置が短い方が艦首側になります。











 ここは先に144を接着しましょう。
 部品S24の上面には起倒式マスト取り付け用の凸が4つ有りますから、
 艦尾側の2つをカッターで削ってから船体に接着します。
 ※素組みの場合は削らず、全ての凸を残しておきましょう。
 部品S24を仮組みしてみて「上手くはまらない」、「船体と隙間が開く」など不具合が有る場合は
 部品S24の船体取り付け用の凸部分を「直刃爪切り」で半分くらいにすると良いです。
 また接着時には部品S24が船体に対して水平、垂直になっているか注意しましょう。
 この部品S24が歪んでいると、その上に立つ起倒式マストも歪んでしまいます。
 部品S24が固着したら701461211の順に取り付けました。













 この部分は組み立て説明書で言う「D」の部分になります。
 部品T7にも船体取り付け用の凸が2ヵ所有ります。
 ここも仮組みした時に合いが悪かったので「直刃爪切り」で凸を半分くらい切りました。
 次に部品S1部品S2部品S19部品S20を接着します。
 エッチングは14510の順に接着しますが10を取り付ける通路が狭いので
 145の幅が広いと10が取り付けにくくなるので注意しましょう。
 もし145接着後、10が接着しにくい場合には10145側を「直刃爪切り」で
 少し切り落としても良いです。















 部品S35にも起倒式マスト接着用の4ヵ所の凸が有りますが艦尾側の凸2つを
 カッターで削ってから船体に接着します。
 ※素組みの場合は削らず、全ての凸を残しておきましょう。
 14370090807の順に取り付けました。















 この部分は組み立て説明書で言う「C」の部分になります。
 部品T1には舷外通路から機銃甲板に上がるラッタル(階段)取り付け用の穴が開いています。
 赤矢印の部分です。素組みでキットパーツの部品D36を使用する場合には、このままでOKです。
 エッチングのラッタルに交換する場合には穴が小さ過ぎなのでカッターで削って穴を拡張しました。
 141を先に作っておいて穴を拡張しながら141を穴に仮通ししてみて簡単に通る様になれば良いです
 作例では穴を縦1.5mm×横1.5mmくらいに拡張しました。
 穴拡張が完了したら船体に部品T1部品S4部品S5部品S6部品S10部品S18
 接着します。
 ここも支柱が多いので1本ずつランナーから切り出して、接着しましょう。
 機銃甲板が固着したら1411420605の順に取り付けました。
 05の接着箇所は曲部なのでピンバイス1mm径のドリル刃を使って曲げました。
 141は最初、穴へ垂直に差し込んで「縫い針」で慎重に斜めに角度を付けて接着しました。














 1390314004の順で取り付けました。
 船体に取り付けるエッチングは他にも有りますが破損防止の為、ここで一旦、終了です。















 船体に取り付けるキットパーツの位置と部品No.です。
 部品R12部品R27共に部品が小さいのでランナーから切り出す時には
 「部品飛び」による紛失に注意しましょう。
 部品R12部品R27に有る接着用の凸は「直刃爪切り」で爪が掛かる程度まで短くしておきます。
 また両部品の接着位置には凹穴が有りますが、穴の深さが浅く小さいのでピンセットを使いましょう。
 ここでもピンセット使用時に力を入れ過ぎて「部品飛び」による紛失に注意しましょう。
 前記した様に部品R12部品R27の接着用凸は短く、取り付け箇所の凹穴は浅いので
 経験が無いと中々、一発接着は難しいです。
 そこで小さい部品接着が苦手な方は部品側ではなく、穴側に接着剤を付けておきます。
 次に部品R12(または部品R27)をピンセットで軽く挟んで接着場所に置きます。
 この状態では部品側の凸と穴の凹の位置が合っていないので部品は斜めになります。
 これを「縫い針」または「爪楊枝(つまようじ)」で真っ直ぐに直します。
 慣れないと部品が小さいので根気が要りますが頑張って接着しましょう。



















 部品D14を忘れていたので接着しました。
 キットの菊花紋章(部品R25)は印象に合わずパッとしなかったので
 ストックパーツの中からウォーターラインシリーズに同梱されているW16を使用しました。
 このままでは厚みが有るので爪ヤスリで半分くらいの厚みになるまで削って接着しました。
 船体の製作は一段落したので次は艦橋の製作に入ります。








 エッチングパーツに扉のパーツが有りますが明確に取り付け指示が有るのは
 艦尾機銃座の部品R4の部分のみで他は製作者の任意(自由)で交換する様になっています。
 まず部品S55の扉モールド(2ヵ所)をカッターで削り取った後、部品D37に接着します。
 次に部品D37の扉モールド(右:1ヵ所、左:4ヵ所)をカッターで削ります。
 扉モールドを見て「これなら良いかな」と思ったり、削り取りに不安が有る場合には
 無理に行う必要は有りません。この作業は個人の判断で行いましょう。
 部品S60を接着する柱の先端(赤矢印)が少し丸みを帯びているので
 カッターかヤスリで軽く削って平らにしておきます。
 扉モールドを削ったら部品37部品S45部品S64部品S58部品S59を接着します。
 部品S58部品S59は小さいのでランナーからの切り離し、接着時には紛失に注意しましょう。
 116を削り取った扉モールドの位置に接着します。
 続いて111115部品R10を取り付けていきます。









 カッティングマットの上に57を置いて、その上をピンバイス1mm径のドリル刃を
 少し押さえ気味にしながら転がして曲げました。
 5758の大きさに合わせる様に曲げるより、58より少し小さい感じに一旦曲げておいて
 チョットずつ広げながら58の大きさに合わせる方が楽です。
 もし58より大きくなり過ぎた場合は再度、「ドリル刃転がし作戦」で小さくすると良いです。
 114の曲げも57の曲げと同じ方法を使えますが、
 ここは英字の「J」の様な特殊半円型なので曲げと現場合わせを繰り返して上手く合せます。
 取り付けは11457+58105106の順で行いました。
 57+58の中心点が支柱中心になる様に、前後左右に傾かない様にしましょう。
 接着面が小さく、安定が悪いので接着直後は水平でも接着剤が固着するまでに傾いてしまい、
 傾いたまま固着という事も有りえるので固着まではチェックしておきましょう。
 10557+58に干渉しない様に取り付け角度に注意します。
 10657+58が支柱に完全固着してから取り付けた方が良いです。
 各エッチングの完全接着を確認してから部品R12部品S65を接着します。







 部品S56をランナーから切り出したら艦橋基部の部品D37に仮組みして
 「隙間が出来ないか」、「合わせがキツくないか」部品の合い具合をチェックしておきましょう。
 部品S56の扉もエッチングに交換しますが、この場所はカッターでは厳しいので
 模型用ノミで慎重に扉モールドを削り取ります。
 模型用ノミが無い場合は100円ショップに有る「彫刻刀の平刀」で充分です。
 艦橋窓枠もエッチングに交換します。
 カッター、ノミ、平刀で窓枠モールドのみを削る様に深さや位置を確認しながら慎重に削りましょう。
 窓枠を削り取ったら「爪ヤスリ」で軽くヤスリ掛けして窓枠除去面を均一にします。
 48には分かりにくいのですが折り目が有ります。
 48が飛ばない様にピンセットで軽く挟んで角度を色々変えて見ると折り目が分かります。
 48を大体の形に折り曲げたら部品S56の窓枠位置に仮合せをして折り曲げ角度の
 微調整を行って部品S56へ接着します。
 折り曲げや拡張を何度も繰り返していると折れてしまうので注意しましょう。
 次に116を接着します。
 取り付けたエッチングが固着したら部品D37へ接着します。











 上画像の艦尾側です。
 部品S55の扉モールドを削り取った場合はエッチングに交換しているか再度、確認して下さい。
 接着忘れが有れば先に116の位置に接着しておきましょう。
 画像では見えずらいのですが116部品S55に2つ並びで付きます。
 116のチェック、または接着が終われば101を接着します。
 この101の接着角度で後に取り付ける21号電探の向きが制限されるので
 垂直の少し手前の角度(80度)くらいがベストだと思います。













 部品S41部品S42を接着して煙突を作ります。
 この時に煙突に有るラッタルのモールドも削り取っておきます。
 固着したら両部品の合わせ目を整形しておきましょう。
 煙突上部パーツの部品S67をエッチングに置き換えます。
 煙突内部の「魚の骨」の様な物がそうです。
 「背骨」は52、「あばら骨」は煙突の細くなっている方から太くなっている方に向かって
 67666564636261の構成になっています。
 52には7か所の切れ目が入っていて、67~61にも切れ目が入っています。
 この部分は各パーツの取り付け場所の切れ目同士を合わせる「ハメ込み式」で作ります。
 煙突内部に取り付ける際にキツイ様なら煙突の内側を少し削って調整しましょう。
 煙突内部に「魚の骨」を取り付けたら68を煙突上部に接着します。












 まず部品S57と製作途中の艦橋基部を仮組みしてみて隙間が出来ないかチェックします。
 窓枠をエッチングに変更して隙間が有る場合は大体が窓枠部分に原因が有ります。
 窓枠と接する部分を「ヤスリで少しずつ削っては合わせて」を繰り返して調整しましょう。
 隙間が無くなったら次は103104を切り出してラッタルを作ります。
 103部品S57赤矢印の穴に、104部品S57緑矢印に通るか合わせてみます。
 簡単に通る様なら艦橋基部に接着します。
 少しでもキツイ様なら103104が簡単に通るまでカッターで
 穴を拡張してから部品S57と煙突を接着します。















 まずは艦橋の左舷側です。
 パーツ55を切り出して組み立てます。
 部品S38の排気管を55に通して部品S38の排気管を煙突に接着します。
 この時、55は画像の位置くらいまで下げておきましょう。
 排気管が固着したら55の位置決めをして接着します。
 55は「スーパーXG」の点付けで接着しました。
 次に100102113を取り付けます。















 艦橋の左舷側です。
 部品S47部品S50を接着します。
 次に71を煙突に取り付けます。
 作例では煙突にモールドされている横ラインをガイドに71を取り付けましたが
 これだと、この後に取り付ける69が窮屈になります。
 71は煙突の横ラインモールドの1~1.5mm下げ気味の位置に取り付けると良いです。











 45を切り出して、少しでも曲がっていれば真っ直ぐにしておきます。
 71の凹部へ45を通す感じで煙突の上側から差し込みます。
 4571が接触した状態で押し込むと両パーツの破損につながる可能性が
 有るので差し込み作業は慎重に行いましょう。
 差し込みが完了したら「流し込みタイプ」の接着剤で45を接着します。
 次に69を取り付けますが、この69は床部と手摺り部が一体化しています。
 作例では先に手摺りの曲部を丸棒で曲げておいて、手摺りを起こし曲部の曲り具合を調整した後、
 煙突に取り付けました。
 先に69を煙突に取り付けてから手摺りを曲げる場合は69を煙突に
 シッカリと固着させておきましょう。
 また床部と手摺り部を分離させて煙突に床部を先に接着し、後から調整した手摺り部を接着する
 方法もあります。そこは製作者のやり易い方法で良いと思います。
 53部品S44の上に被せて型を取って煙突頂部に取り付けました。
 レーダーは本体が5460、レーダーの受け(支え)が72になっています。
 各折り曲げ箇所が直角になる様に慎重に曲げましょう。
 艦橋には他にもエッチングの取り付けが残っていますが破損防止の為に艦橋を船体へ接着した後に
 取り付けます。






 艦橋の製作が一段落したので飛行甲板の製作に移ります。
 このキットの飛行甲板に有る前後2基のエレベーターはエレベーター本体と、
 その外周の鉄部が木甲板面より一段低くなっているのでキットの組み立て説明書通りに
 エレベーターを組み立て(接着)すると飛行甲板に段差が生じます。
 この段差を解消させるには木甲板シールとセット販売されている
 別売りの「フジミ 1/700 グレードアップ GUPー37」(税込定価:2376円)
 使うと簡単にプラ面との段差処理が出来ます。
 しかし付属の木甲板シールを使用すると、木甲板シールの厚み分の段差が生じます。
 木甲板シールを使用すれば甲板に貼るだけなので木調が簡単に表現出来るメリットは有りますが
 接着処理をせず、ただ貼っただけでは時間経過や乾湿により剥がれてくるので要注意です。
 この大鳳に限らず木甲板シールが持つ問題は今後の課題です。
 なので今回は、この段差を製作費削減を兼ねてプラ板で埋めて行きます。
 コピー用紙(プリンター用紙、メモ紙でも可)を飛行甲板のエレベーターの上に被せて
 紙を張った状態で、上から鉛筆を寝かす感じで擦ります。
 あまり強く擦ったり、紙位置が途中でズレない様に注意しましょう。






 飛行甲板エレベーター部分の凹みに色々な厚みのプラ板を仮合せしてみると0.25mm厚が
 ちょうど良い感じだったので前部エレベーター用にEG109を長さ27mmに切ったものを4枚、
 後部エレベーター用にEG109を長さ25mmに切ったものを4枚作って
 画像内左側の様に4枚を組み合わせて接着しました。
 固着後は耐水ペーパーなどでプラ板の合わせ目を消しておきます。
 次に写したエレベーター外枠のラインに沿って紙をハサミで切り出します。
 それを先程、プラ板4枚で組み合わせた物の上に置いて外枠ラインをプラ板の上に写します。
 この時に内側4角と外枠ラインとの間隔(黄色丸の所)が同じになる様にしましょう。
 作例ではギリギリセーフでしたが、角と外枠ラインとの間隔が狭過ぎると
 プラ材をハメ込んでエレベーターを接着した時に隙間が出来てしまいます。
 後は、このラインに沿ってプラ板をカットします(画像内の右側)。
 飛行甲板→紙→プラ板へ移す度に微妙にラインがズレている事が有るので
 画像内右側の状態になったら実際にキットのエレベータ部分に仮組みしてみて
 ピッタリとハマる様に形状修正をしておきましょう。
 画像は前部エレベーターですが、後部エレベーターも同様にします。
 タミヤからは0.25mm厚のプラペーパー(1枚モノのプラ板)が発売されているようなので、
 それを使っても良いと思います。




 前項の要領で作ったエレベーター外周の段差埋め用プラ板をエレベーターに接着します。
 プラ板が固着したら内側が四角になっているので、これをエレベーターの形状にカットします。
 飛行甲板を裏返しにするとエレベーター形状で開口部が開いているので、
 それをガイドに余分なプラ板をカットします。
 次にキットパーツのエレベーターを開口部に仮組みしてみて現場合わせの修正をします。
 キットパーツのエレベーターの形状がベースになるので合わない場合はプラ板の方を削りましょう。
 開口部とエレベーターを仮組みした時に少しキツ目の方が良いです。
 エレベーターパーツの接着ですが、まず飛行甲板を裏返しにします。
 そしてエレベーターパーツの裏側が上にくる様に開口部にハメ込んで、
 飛行甲板とエレベーターを面一にさせる為にシッカリと押さえます。
 ここで飛行甲板をユックリと反転させ、甲板面とエレベーターが面一になっている事を確認します。
 面一になっていたら飛行甲板を立てた状態にして裏側のプラ板とエレベーターパーツの
 境界に流し込み接着剤を「点付け」します。
 飛行甲板を裏返したまま流し込み接着剤を使うと隙間から接着剤が表側に流れ込んで
 飛行甲板表面の木目モールドが溶けてしまうので要注意です。
 少し時間をおいて更に流し込み接着剤を使って完全接着させます。
 この時にエレベーターや、その周辺は触らない様にしましょう。
 エレベーターが固着したらピンバイスで0.4mm径の穴を木甲板部分のみ5mm間隔で開口して
 航空機係止用の眼環を再現してみました。






 部品B2をエッチングに交換します。
 464749は切り出したらゲート処理を確実にやっておきましょう。
 そうしないと綺麗に外枠が組みません。
 作例では46の網部分(遮風柵)を倒した状態で飛行甲板に接着するので
 46に内桁の4749を接着する際に接着剤のハミ出しを気にせず行いました。
 完成後に46の網部分を起こして完成品に動きを付けたい場合には
 4749の接着は丁寧に行いましょう。
 画像の状態で接着剤が固着したら先に内側のみを軍艦色で塗装しておきます。
 塗装が乾燥したら46を箱組みします。
 前記した様に網部分を倒した状態で製作するので箱組みした外周に接着剤を付けて
 接着剤が固着するまでクリップで挟んでおきます。
 クリップが無い場合は何か重しを置いておくと良いです。
 完成時に網部分を起こす場合には接着剤は付けない様にしましょう。









 エッチングで作った遮風柵を飛行甲板に埋め込みました。
 このパーツはキット甲板の大きさより、ほんの少し大きいので
 カッターで少しずつ削って合い具合を調整しました。
 ヤスリでガシガシと削ると最悪、飛行甲板の木目モールドを傷める可能性が有るので要注意です。
 エッチングの遮風柵が飛行甲板の開口部へ綺麗にハマったら裏から
 接着剤(スーパーXG)を流し込んで固着させました。
 この時に飛行甲板の上面と遮風柵の上面が同じになる様にしましょう。
 この部分は木目モールドとの兼ね合いからプラ用の接着剤を使用しない方が良いです。
 プラ用接着剤を使用すると開口部とエッチングの僅かな隙間から接着剤が木目モールドに
 入り込んでしまい、遮風柵取り付け時にうっかり触ってしまうと木目モールドを潰してしまいます。
 ここは「ゴム系接着剤」か「瞬間接着剤」を使った方が無難です。
 遮風柵の取り付けが完了したら飛行甲板の上面は全て、裏面は後部のみに
 サフェーサーの色がうっすらと付くくらい軽く吹き付けます。
 吹き付け過ぎると繊細な木目モールドや遮風柵の網目が潰れてしまうので注意しましょう。









 船体の全体に軽くサフェーサーを吹き付けます。
 サフェーサーが乾燥したら艦尾部分を軍艦色で塗装します。
 組み立て説明書では部品R1部品Q1を1組、部品G6部品Q1を2組作る様に
 なっていますが該当するパーツが不足しています。恐らく、誤表記だと思います。
 作例では部品R1部品Q1を2組、部品G6部品Q1を1組作りました。
 部品G1部品J2部品R2部品D4部品R1Q1を2組、
 部品G6部品Q1を1組を塗装します。
 部品J2部品R2部品D4は飛行甲板下に隠れるので軍艦色1色で良いです。
 部品G1部品R1部品Q1を2組、部品G6部品Q1を1組の
 キャンバス部分は白で塗装します。
 ここも完成後は飛行甲板下に隠れるので、塗装に関してはあまり神経質にならなくて良いです。






製作に使用したもの

 【キット】フジミ 特ー42 日本海軍 航空母艦「大鳳」 定価:3024円

 【エッチングパーツ】フジミ 1/700 日本海軍航空母艦 大鳳専用エッチング ディテールアップパーツ GUP-36 定価:1944円
           ファイブスター 日本海軍舷外消磁電路 FS71003 定価:1152円

 【メタルプライマー】アサヒペン メタルプライマー(非鉄金属下塗り) 定価:1183円 300ml  869円 100ml

 【プラ材】タミヤ 0.5mm厚プラ板(B4サイズ4枚入り) 364mm×257mm 定価:777円
      エバーグリーン EG109 0.25mm厚×6.3mm幅(長さ300mm 10本入り) 定価:756円
                 EG110 0.40mm厚×0.5mm幅(長さ300mm 10本入り) 定価:756円
                 EG112 0.40mm厚×1.0mm幅(長さ300mm 10本入り) 定価:756円
      プラストラクト MS-10 縦0.3mm×横0.3mmの角棒(長さ250mm 10本入り) 定価:529円

 【接着剤】セメダイン スーパーXG 20ml 定価:630円 〔金属部品用メイン接着剤として使用しています。〕
      GSIクレオス ミスターセメントS(流し込みタイプ) 定価:270円 〔プラ用メイン接着剤として使用しています。〕

 【その他1】工具系
      タミヤ サーフェイサー(40mlビン入り) 定価:324円
      タミヤ 精密ピンバイスD(0.1~3.2mm) 定価:1404円
      ミネシマ 0.4mmドリル刃 定価:540円
      ミネシマ 0.5mmドリル刃 定価:442円
      ミネシマ 0.6mmドリル刃 定価:432円
      ミネシマ 0.9mmドリル刃 定価:367円
      ミネシマ 1.0mmドリル刃 定価:305円

 【その他2】材料系
      フラグシップ 超極細チェーン(黒) 0.9mm×1.3mm φ0.2mm 50cm 定価:315円
      3M 234J Plus マスキングテープ 定価:400円~(テープ幅によって定価に幅が有ります。)

 【基本工具】カッター、ニッパー、耐水ペーパー、鶴首ピンセット、爪やすり、直刃爪切り、金尺(15cm程度)

※表示してある「定価」とは「メーカー小売価格」、「メーカー希望価格」の税込価格です。
 少しでも安く購入する為にも、この金額を参考にして頂けたらと思います。


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