このページは戦時標準船(通称:戦標船)を各船型別に分類して纏めています。
第1〜4次戦時標準船の解説
[第1次戦時標準船]
この船型は戦前に設計された平時標準船と殆ど外観の変化は無いが、新たな船型に鉱石運搬船(K型)と油槽船(TL型、TM型、TS型)を加えて
設計を簡素化したものです。船型にはA型、B型、C型、D型、K型、TL型、TM、TS型が在る。
[第2次戦時標準船]
膨大な輸送船の損失により、船腹を満たす為に打開策として主に昭和18(1943)年後期から建造し始められる。
短期の大量生産に対応する事により第1次戦時標準船より船型と構造を更に簡素化した船型でA型、D型、TL型、TM型が在る。
[第3次戦時標準船]
大戦末期の昭和19(1944)年になると敵航空機や敵潜水艦の攻撃により輸送船の損失が激しくなり、船舶事情は極度の悪化となる。
第2次戦時標準船より速力の向上を図り、不沈対策として船体内の隔壁を増やした船型でA型、B型、D型、TL型が在る。
[第4次戦時標準船]
船体構造を簡素化して建造ペースをアップさせても尚、輸送船の建造ペースより損失ペースの方が上回り、船としての基本構想を
無視した船型でB型、TLT型、TMT型が計画されたが物資と時間が許さず戦時に竣工したのは極一部の戦標船だけだった。
※第2次戦時標準船以降から建造資材の不足、大量建造による工事の簡素化に拍車が掛かり始め船体の外板は薄く、
機関の部品も粗悪品が増えて航海中では故障がちになり、乗船していた船員は相当の苦労をした様です。
戦時標準船の型 船 種 形 態 第1次 第2次 第3次 第4次
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A 型戦時標準船 貨 物 船 9隻 27/96隻
B 型戦時標準船 貨 物 船 16隻
C 型戦時標準船 貨 物 船 34隻
D 型戦時標準船 貨 物 船 20隻 89隻
E 型戦時標準船 貨 物 船
F 型戦時標準船 貨 物 船
K 型戦時標準船 鉱石運搬船
TL型戦時標準船 油 槽 船
TM型戦時標準船 油 槽 船 26隻 39隻
TS型戦時標準船 油 槽 船 5隻
※ここに記載している表は竣工または計画時の基本形態の状態で中には時期により貨物船からタンカー、航空機運搬船に改装された船も存在し
統一性が無いので、正確な戦時標準船を再現するには各個船の時期と状態をリサーチ(調査)する必要が有ります。