【 修 正 工 具 編 】
ここでは初歩的な修正をする場合の必要マテリアル(材料&工具)を紹介しています。
1:パテ(2種類) 2:ヘラ 3:耐水ペーパー 4:板ヤスリ 5:色々なプラ材 6:ものさし 7:ディバイダー
8:円定規テンプレート 9:金属チェーン
1:パテ
パテはパーツ同士の隙間や段差、パーツに発生しているヒケ、ピンホールを修正する時に使用し、パテにはラッカーパテ(右写真のチューブ型)、
サーフェイサー(右写真の瓶入り)、2つの異種パテを混ぜ合わせて使用するエポキシ・パテの3種類が代表されます。
A:ラッカーパテ(ハンネリ状) 32g 250円
主にパーツを接着した際に生じた隙間や段差、ヒケの修正に使用します。
但しラッカー系なのでプラスチックを溶かす特性が有る為に薄いプラ板やプラの厚みが薄い箇所へ
使用する際には注意が必要です。
B:サーフェイサー(液状) 40ml入り 300円
主にカッターで発生した小キズ、小さい隙間、ピンホールの修正に使用します。
また同種で缶スプレー入りの「Mr.レジンプライマー」と言う物も有って、これはレジン・キットや金属パーツの
下地処理に使用します。
C:エポキシ・パテ
1箱に2種類の棒または板状パテが入っていて使用(必要)分を混ぜて使用します。
硬化するまでの時間が長いのが難点だが、パテで成形したり比較的大きな隙間にも対応可能な所が良。
初歩で修正をする方はラッカー・パテとサーフェイサー(瓶入り)の両方を準備すれば良いのですが、
予算の都合が有る方は、たちまちラッカー・パテを購入しておきましょう。
[用語解説]
ピンホール
金型でキット・パーツを成型して、金型から外す際に押し出しピンが使用されるんですが、
その「ピン痕」がピンホールと呼ばれる物で右画像のAの様にパーツの一部に円状の凹みが特徴。
機銃台座、甲板裏などに多く見られ、中には煙突、艦橋のパーツに発生している事も有るので注意。
ヒケ
成型時に金型内に異物が挟まっていたり、材料が充分に充填できていなかったり、など他にも原因は有るけど
発生する理由は様々であるが、右画像のBの様に「エクボ状」の凹みが特徴。
発生箇所も飛行甲板、機銃台座裏、甲板面、両舷艦首、機銃、艦載機パーツ、煙突、船体と言う様に
至る所に出来る。
※小さい(浅い)ピンホールやヒケはサーフェイサーを塗布する程度で充分対応出来ますが、
中には金型が古いのか深いモノも有ります。こういった所にはラッカー・パテを使用します。
2:ヘラ
これは、フィギュアの製作や粘土細工に使用されたりもする工具です。
パテをパーツの隙間に塗布または擦り込ませる時に使います。
ヘラ先の形状も、この様に先が尖った物、平たい物など各種あるので各自が使い易い形状を選択すると
良いでしょう。自分の場合は小さな隙間にも対応できる様に先端が三角(尖った)物を愛用しています。
価格も1000円前後するので予算的にキツイ方は「爪楊枝(つまようじ)」を代用品としても使用出来ます。
また厚さ1mmのプラ板を幅5mm×長さ4〜5cmに切って先を斜めに切り落とします。
次に先端の形状を三角型にするか平型にするか好みで加工しても良いです。
1mm厚プラ板が手元に無い場合は「割り箸」を加工しても対応可能です。
しかしパテ埋め修正をしている内にヘラ先に付着したパテが乾燥してくるので
金属ヘラの場合はパテを塗布する度にティッシュ、または「うすめ液」またはシンナーで拭き取る必要が有ります。
爪楊枝の場合は使い捨てになりますが、プラ板や割り箸を加工して自作したヘラの場合は
先端に付いたパテが乾燥してきてパテの塗り具合が悪くなってきたらカッターで削ってやると良いでしょう。
※この工具は持っていないと「艦船模型が製作出来ない!」とか「手間が掛かる!」と言う物ではない
ので最初は代用品を活用して予算的に余裕が出来た時に入手したい方は購入すると良いです。
3:耐水ペーパー
キット・パーツの隙間埋め、小キズ整形、形状修正にパテを使用すると塗布面がザラ付いているばかりで無く、
パテの塗布による修正面が凹凸になってしまいます。また修正をしない場合でもパーツ自体の表面が
荒れている時など、これを均一面に仕上げる時に耐水ペーパーを使います。
耐水ペーパーは別名でフィニッシング・ペーパーとも呼ばれていてペーパー商品の特性になりますが、
番数が小さいほどペーパー目が「粗く」、大きいほど「細かく」なっています。
400番(粗目)、600番(中目)、1000番(細目)の3種類が1セットになって価格は200円ほどです。
またプラスチック&金属用と木工用が同じパッケージで発売されているので、前者の方を購入します。
模型(プラモデル)屋さんによっては「バラ売り」されている事も有るので使用していて特定番数のペーパーが
無くなったり残量が少なくなったりした時には単種の補充が出来ます。
この耐水ペーパーの使用方法は普通の削り用ペーパーの様に修正面を直にペーパー掛けすると直ぐに
目詰まりを起こすので整形面(箇所)に少量の流水を当てながら、または溜め水にペーパーを浸しながら
使用(削り)するので注意しましょう。
4:板ヤスリ
最近は、こんなヤスリまで出現しました。
水平面を均等に削る為に昔は木片に耐水ペーパーを巻き付けて削っていましたが
このヤスリの登場で、その手間が省けます。
平面を手で削ると力が均等に伝わらず綺麗に削れた様に見えても
整形面が波打ってしまいますが、これなら力が均等に加わるので便利です。
「WAVE」から発売されている「ヤスリスティック」で両面が使用可能です。
掲載画像のは「ソフト」ですが「ハード」も有ります。
「ハード」は切断不可ですが「ソフト」はハサミで切断可能なので用途によって大きさを
変えられるので小さい部分から広い範囲まで自在に削る事が出来ます。
「ソフト」となっていますが、ある程度の硬度があるので力を入れても大丈夫です。
用途は平面を均等に削る場合、船体と艦底板の合わせ目処理、
艦橋パーツの垂直面を出すなどに威力を発揮します。
トップページの製品情報→工具・材料をクリックすると中段辺りで出現します。
詳細は下記アドレスへ。
http://www.hobby-wave.com/index.html
5−1:色々なプラ材(1)
改造や修正をするのにプラ材は欠かせない必須アイテムです。
タミヤから0.3mm厚、0.5mm厚、1mm厚、1.2mm厚で縦364mm×横257mm(B4サイズ)
の板状プラ材が発売されています。この大きなプラ板を必要箇所に応じて切るのも大変ですし、
サイズも限られているので使用箇所によっては「もう少し薄ければ…」とか「もう少し厚ければ…」
という問題が発生します。
それを上手く解決出来るのが「エバーグリーン社」の「ストライプスチレン」と言うプラ材です。
このプラ材は長さが全種357mm(35.7cm)に統一されていますが、
厚みが0.25mm〜6.3mm、幅も0.5mm〜6.3mmと種類が多いのが特徴で、
すごく便利なアイテムです。汚水捨て管、機銃座や高角砲座のブルワーク、船体改造、舷外通路、
機銃座や舷外通路裏の三角片など多種多様な場面に適用出来ますし
タミヤセメントでの接着も可能です。
また1/700だけでなく他のスケールにも使えますので持っていると便利です。
他にもパイプ、角棒、丸棒、H・I・L・ロ・コ形状、飛行甲板に使える「Vグルーブ」なども有ります。
詳細は下記のアドレスへアクセスして確認して下さい。
トップページの左側の緑枠「エバーグリーン」をクリックして下さい。
http://www.kitbox.jp/top.htm
5−2:色々なプラ材(2)
このプラ材は「HOBBY BASE」の「プラストライプ」です。
前記の「ストライプスチレン」と同じく長さは357mm(35.7cm)。
幅も0.5mm〜2mmと種類がありますが、厚みは0.14mmで
統一されています。
厚みが0.14mmなので機銃座・高角砲座・その他のブルワーク、
甲板上の機銃用防弾板、艦載艇の固縛(ラッシング)表現、
飛行甲板の滑走制止索の金具、艦橋頂部の遮風板など
極薄プラ材が必要な箇所に使えます。
特にブルワークに使用すると「ストライプスチレン」より薄く仕上がる
のでシャープ感もアップします。
接着には「ミスターセメントS」を使いましょう。
詳細は下記アドレスへ。
トップページの中段「プレミアムパーツ」→画面左側の
黄項目「プラストライプ」で見れます。
http://www.yellowsubmarine.co.jp/hobbybase/top.htm
5−3:色々なプラ材(3)
ここに紹介するのは「ジェマコーポレーション」の「プラストラクト」です。
形状の種類も多く、長さは250mm(25cm)で統一されています。
大きさは0.3mm〜6.4mmまで幅広く「ストライプスチレン」と併用する事で、
更に使用範囲も広がります。
例えば角棒なら舷外消磁電路や甲板上の材木表現、支柱などに使えますし、
丸棒ならマストやマストのヤード(横棒)、マストのトラス、銃身などに使えます。
このプラ材もタミヤセメントで接着可能ですが、素材が細い場合は「ミスターセメントS」、
「流し込みタイプ」の接着剤を使う方が良いです。
詳細は下記アドレスへ。
トップページを少し下げると左側に形状表示されているので、そこをクリックして下さい。
http://www.rakuten.co.jp/jema/
5−4:色々なプラ材(4)
これはタミヤから発売されている一番スタンダードなプラ材です。
大きさは1mm、2mm、3mm、5mmで長さは400mm(40cm)で
統一されています。種類は角棒、丸棒、三角棒があります。
特に5mm角棒は大型艦の艦底板に貼り付けて「反り防止」に使えます。
最近は0.1mm厚のプラシートなど色々なプラ材があります。
詳細は下記のアドレスへ。
トップページ上部の「製品情報」→「ツール&マテリアル」→
「工作用素材(プラ板など)」(ページ右側中段あたり)
http://www.tamiya.com/japan/index.htm
6:ものさし(直定規)
プラ板から寸法を測って切り出したりプラ棒をカットするのに使います。画像の物は長さが30cmの直定規です。
主な用途はタミヤから発売されている大きな1枚モノのプラ板を必要な大きさに小分けしたり
大きなプラ板から飛行甲板の様な大きなパーツを切り出したりするのに使います。
また長さ15cmくらいのステンレス製、プラスチック製の物が有ると切り出した(小分けした)プラ板から
パーツを切り出したり出来るので便利と思います。
ステンレス製はカッターでプラ板を切る時、プラスチック製は単に切る位置や形状をプラ板上に記載する時に
使います。プラ板からパーツを切り出す時やプラ板を切る時にプラスチック製を使用すると
カッターの刃が直定規に乗り上げたり、カッターの刃で目盛りの部分が削れてしまい
ラインを引く時に綺麗に引けなくなります。
最悪の場合にはケガにつながります。金属製なら、この様な心配がないので安心です。
自分は大きな(長い)パーツを切り出す時には30cm、小さい(短い)パーツを切り出す時は15cmと
分けて使っています。
直定規はプラ板のカット時だけでなく、よく模型雑誌に掲載されている1/700図面から実寸法を
測って艤装品の位置決めにも使えるので長い直定規は持っていると何かと便利です。
直定規も100円ショップの物で充分、使えます。
7:ディバイダー
基本的に製図用具で形状はコンパスに似ていますが、両方の足が針になっているのが特徴です。
完成に近付いたり、製作を進めて行くと徐々に接着パーツも増えてきて「ものさし」で正確に測れなくなってきます。
結果、「ものさし」で正確に測ったつもりなのに合わせてみると長すぎたので少し短くしたつもりが短くなり過ぎた。
特に機銃座下の支柱、エッチングの手摺りを継ぎ足す時の様に直接、「ものさし」が使えない所の長さを測るのに
威力を発揮します。
他には張り線(アンテナ線、空中線)を展開する時のマスト間の長さ、図面からの原寸(寸法)取り、
ラッタルの長さなどにも使えます。
8:円定規テンプレート
これも基本的には製図用具で色々な直径の丸穴が開いた定規です。
用途としては「機銃座をプラ板で作り替えたい」、「キットの円状パーツを少し大きく(小さく)したい」、
円形マスキングなどです。
コンパスでも円は描けますが小さすぎる円は大変ですし、中央に針穴が開きます。
使い慣れてないとスタート地点(始点)とゴール地点(終点)がズレて良い感じに円が描けません。
これなら最初から円の形で定規になっているので好きな大きさの円が楽に作れます。
9:金属チェーン
掲載したものは「フラグシップ」の超極細チェーンで、カラーは黒と銀と金が有ります。
キットのチェーンモールドを削り取って金属チェーンに交換するだけで、かなりの精密感をアップさせる事が出来ます。
精密なディティールを求めるモデラーからエッチングが苦手なモデラーやエッチングは使用しないけどマストを真鍮線に交換したり、
砲口を開口させるなど簡単なシャープ感を求めるモデラーには最適なアイテムです。
これは個人的な見解ですが今まで使用した感じから言うと戦艦、空母、軽空母クラスの艦艇には◎。
重巡洋艦、軽巡洋艦(矢矧型、香取型)クラスの艦艇ではサイズ的にギリギリ○。
5000t軽巡洋艦、駆逐艦クラスの艦艇ではスケールオーバーな感じがしますが何とか△。
海防艦、駆潜艇の様な小艦艇には厳しいと思います。
また細チェーン(1.9mm×3.7mm 0.5mmφ)のチェーンは
1リンク(リング1個分)を半分に切れば戦艦、空母クラスの錨鎖甲板のホースパイプにも使えます。
他に極細チェーン(1.0mm×2.0mm 0.25mmφ)も有ります。
問い合わせまたは商品確認は下記アドレスへ。
http://www.flagship.ne.jp/index.html