【 基 本 工 具 編 】
購入したキットを何も手を加えないで、そのまま組み立てて完成させる事を素組みと言います。
初挑戦の場合には、どんな工具を購入すれば良いのか?雑誌で紹介されている工具を全て購入しないといけないのか?
アレコレと買い揃えるには金銭的にも…と考える方も多いと思います。しかし素組みで艦船模型を完成させるには、
1:キット 2:カッター 3:接着剤 4:ピンセット 5:ニッパー 6:カッティング・マットが有れば充分です。
1:キット選び
有る程度の経験を積んで製作する場合を除いて大体は自分が製作したい艦のキットを選びがちですが、小学生や中高生にとっては
高価な買い物になる場合も多く、せっかく購入したキットが上手く作れなかったり、製作中にトラブルが発生したりして困る事が有ると思います。
「綺麗に完成させる為」にも出来る事(軍資金が許す)なら初めてキットを製作する場合には製作をしたい艦のキットを購入する前に
「練習製作」をして製作する感触を体験される事をお勧めします。安芸・艦友会でのお勧めキットを下記しておきます。
品番 キット・メーカー キット名 価格
[日本艦] W−11 ピットロード 日本海軍海防艦・第2号 丁型 1200円
W−15 ピットロード 日本海軍海防艦・鵜来型 1200円
W−21 ピットロード 日本海軍海防艦・擇捉型 1200円
W−38 ピットロード 日本海軍水雷艇・千鳥型 千鳥 1600円
W−39 ピットロード 日本海軍水雷艇・ 鴻 型 鴻 1600円
W−40 ピットロード 日本海軍水雷艇・千鳥型 初雁 1600円
W−42 ピットロード 日本海軍水雷艇・ 鴻 型 雉 1600円
W−49 ピットロード 日本海軍海防艦・第1号 丙型 1200円
W−53 ピットロード 日本海軍海防艦・鵜来型 鵜来 1300円(3式投射機搭載型)
No.519 タ ミ ヤ 日本海軍小艦艇セット 800円(掃海艇・駆潜艇・敷設艇の3隻セット)
[米艦艇] W−8 ピットロード 米海軍護衛駆逐艦・DE−51 1600円(バックレイ級)
W−9 ピットロード 米海軍護衛駆逐艦・DE−99 1600円(カノン級)
W−17 ピットロード 米海軍護衛駆逐艦・DE−339 1600円(ジョン・C・バトラー級)
W−18 ピットロード 米海軍護衛駆逐艦・DE−244 1600円(ラッデロウ級)
これらは1箱に2隻入っていますから、お得な上に部品数も比較的に少ないので練習用には最適です。
またキットの種類には、比較的に安価で接着にプラモデル用接着剤を使用するインジェクション・キットまたはプラ・キットと呼ばれる物と、
部品の1つ1つが繊細に成型されインジェクション・キットよりも完成時に見栄えがするが、高価で接着に瞬間接着剤を使用する
レジン・キットまたはポリウレタン・キットと呼ばれる物が有って瞬間接着剤を使用する後者キットの製作方法は後程で解説します。
ちなみに上記の安芸・艦友会が勧めるキットは全てプラモデル用接着剤を使用するキットです。
2:カッター
カッターは模型用の物にこだわる必要は無く、100円ショップに売っている物で充分です。
カッターも持ち手が太い物と画像の様に細い物が有って、
どちらでも充分に対応可能ですが艦船模型の部品は小さいので細身カッターの方が
使い易いと思います。
また部品整形時(後で説明します)に力が掛かるので、出来れば持ち手(赤矢印)の部分は
右画像の様に金属のモノが良いです。
どうしても持ち手が金属製のカッターが安価で見付からない場合には無理して高価なモノを
購入しなくてもプラスチック製のモノでも良いです。
3:接着剤
接着剤には粘度の違いで3種類あり、蓋の裏にはハケが付いているので手を汚さずに接着が出来ます。
「ミスターセメントS」(青蓋) 定価:262円(税込) 使用方法:流し込み
特性:速乾性(乾燥時間が早い)の為に接着面の浸食が無く、接着跡が目立たない。
また塗装後のパーツ接着使用でも塗装面を融解させない。速乾性の為、パーツ接着時の位置決めや
接着箇所に時間を掛けていると、すぐにハケの接着剤が乾いてしまう。
「タミヤセメント」 (緑蓋) 定価:315円(税込) 使用方法:流し込み
特性:「ミスターセメントS」よりは少し粘度があり、接着面の浸食は少ないが接着跡は若干残る事が有る。
広い面積や広範囲の接着には不向き。
「タミヤセメント」 (白蓋) 定価:210円(税込) 使用方法:通常接着
特性:3種類の中で一番粘度が高く広い面積や広範囲の接着に適している。ハケ先が他の2種に比べて
太くなっているので接着跡も目立つし、塗装部への接着、小パーツや狭い所の接着には不向き。
また浸食性も強いので接着使用時には十分に注意する事。
接着剤を使用する時は「シンナー臭」がするので充分な換気の下で行いましょう。
一般の模型屋、プラモデルを扱っているデパートの玩具売り場には大体、あります。
4:ピンセット
製作するキット艦の大小に関係無く、艦船模型のパーツ(部品)は小さい物が多々有るので
ピンセットは必需品です。ピンセットには2種類の先端型が有ります。
上のピンセットは先端が曲がっている通称「鶴首」と呼ばれている型で、
下のは先端が真っ直ぐになっている通称「ストレート」と呼ばれている型です。
この2種類のピンセットは使用する個人によって使い勝手の良し悪しが有ると思いますので、
ここでは「どちらが良い」と言う表現はしない事にします。
このピンセットも模型専用の物が模型屋で販売されていますが、100円ショップに有るモノ
でも先端が小さい部品を挟むのに適していれば充分、対応できます。
自分も一応、2種類を購入したのですが「鶴首型」の方が使い易いので多用しています。
また製作しているキットの中に接着しようとしたり、切り離した小さい部品が落ちたのを拾う時など
は「鶴首型」が有ると非常に便利かつ助かりますよ。
5:ニッパー
この工具も模型専用の物が有りますが、100円ショップに有る物で充分です。
主にランナーからパーツを切り離す時や真鍮線の断線に使用します。
ニッパーを選ぶ時には先端が細くて、全体的に大きさは小振りで、握った時に手に負担が
掛からないバネの軽い物が扱い易くてお勧めです。個人差が有りますが、
バネがキツイ(重い)ニッパーを使用して何度かパーツの切り離し作業を繰り返していると
次第に手首に負担が掛かって、大げさに表現すると「腱鞘(けんしょう)炎」の様な感じに
なる事もあるので要注意です。
6:カッティング・マット
これはパーツをカッターで整形したりプラ材の断材時に下に敷いてテーブル等に傷を付けない様に
するもので、このカッティング・マットは厚手の古い雑誌や新聞紙でも代用が可能なので
必ず必要(買い揃えないといけない)と言うものではありません。
入手したい方は大きさも各種有って100円ショップにも有るので作業スペースに合った物を
購入すると良いでしょう。
7:直刃爪切り
普通の爪切りは刃の部分が曲線(曲がっている)になっていますが直刃爪切りは刃が直線になっています。
ニッパーでランナーから大まかにパーツを切り離した後、この直刃爪切りでパーツに残っているランナーを
爪を切る感覚で簡単にカット出来るので重宝しています。
また小さいパーツをカットしたり、パーツをランナーから切り離す時にニッパーやカッターでは力が掛かり過ぎて
パーツを破損する可能性が有る場合でも、これなら楽に作業が出来ます。
自分は、1つは「プラパーツ用」、1つは「エッチングのゲート処理用」と2個を使い分けています。
この直刃爪切りも100円ショップに有ります。
8:縫い針
100円ショップに有る「縫い針」です。
エッチングに少量の接着剤を付けて接着させる時、エッチングが剥がれた所へ少量の接着剤を流し込みたい時に
使います。この「縫い針」だと瞬間接着剤が付いても短時間だとティッシュで拭き取りが可能ですし、
もし瞬間接着剤が固まってもカッターで削ぐと簡単に取れる(剥がれる)ので楽です。
画像の様にマスキングテープを4〜5回巻いておくと使用する時の持ち手に便利です。
伸ばしランナーと違って強度も有り、接着剤を付けたい所にシッカリと付けられる点も良いです。
保管は小さな磁石に引っ付けておくか、裁縫道具のピンクッション(針立て、針刺し)に。
製作使用時には安全の為に作業台の手元に一時保管の為の小さな磁石を置いておくと良いです。