生起日:昭和20(1945)年4月6〜7日

要  因
最後の決戦とされた昭和19年10月の捷一号作戦に敗北し連合艦隊も壊滅的な打撃を受けた。
更に多くの輸送船が東シナ海に布陣する米潜水艦、米機動部隊の攻撃にさらされ昭和20年には南方からの資源調達も厳しくなり
国力の回復や兵力増強の立て直しもままならぬ状態になる。連合軍はフィリピンを攻略した後、次目標を沖縄に定め
昭和20年3月18日に沖縄近海に進出してくる。その数は連合軍艦艇(戦闘艦艇、上陸支援艦艇を含む)約2000隻、
上陸海兵隊62万人の大兵力で対抗する日本軍は陸上兵力78000であった。
同年4月1日には沖縄本島に連合軍が上陸を開始し、その日の内に嘉手納と読谷の2飛行場が占領され米軍が使用し始めた。
昭和20年4月7日、海軍は航空隊には沖縄周辺海域に展開中の米機動部隊に航空特攻作戦を展開、
海上兵力に対しては戦艦・大和を基幹とした第2艦隊の第1遊撃部隊を沖縄へ突入させる作戦(菊水1号作戦)を展開する。
大和に与えられた任務は沖縄近海の敵水上兵力を撃破しつつ、敵上陸地点へ艦を座礁させ使用可能な全火力で
敵陸上部隊や施設に砲撃を加え全弾撃ち尽くした後は乗組員が陸兵となり闘う事だった。
沖縄への突入を命じられた大和艦隊の各艦は充分往復出来る燃料を搭載し昭和20(1945)年4月6日の午後3時20分に徳山沖を出撃、
しかし豊後水道を通過した辺りから米潜水艦の触接を受けていて大和艦隊の位置は逐一、米機動部隊へ通報されていたのだった。
敵潜水艦を探知した大和艦隊は増速して振り切るが翌7日には早々と敵哨戒機に発見されてしまう。
昭和20年4月7日の午後12時40分に米空母艦載機群による第1波(101機)攻撃を、午後12時57分に第2波(159機)攻撃を、
午後1時45分に第3波(105機)攻撃を受け大和艦隊は東シナ海に壊滅した。その後、連合軍の沖縄攻略が進行して行く中で
沖縄本島は連合軍の本土進攻を少しでも遅らせる為の「捨て石」または「防波堤」と大本営から位置付けられ、フィリピン戦の時と同様に
武器弾薬・食糧・部隊の増援も支援も無く持久戦を余儀なくされ同島に孤立した日本軍守備隊と島民(民間人)の多くが
沖縄戦で戦死する事になる。また陸海軍航空隊は沖縄近海に作戦展開中の米艦隊に対し空からの航空特攻攻撃を敢行し、
この特攻作戦は終戦まで実施され多くの若い搭乗員の命が南の空に海に散っていった。


[日本艦隊]

艦隊名:第2艦隊             指揮官:伊藤 整一 中将

(第1遊撃部隊)
戦艦   大和
軽巡   矢矧
駆逐   磯風   雪風   浜風   朝霜   初霜      冬月   涼月

          ※1:防空駆逐艦・花月、駆逐艦・槇と榧が豊後水道の手前まで大和艦隊に随伴しています。
          ※2:駆逐艦・磯風は航行不能及び損傷が激しい為に曳航不可と判断され、駆逐艦・雪風の砲撃により海没処分された。
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[米艦隊]

艦隊名:第58機動部隊             指揮官:マーク・A・ミッチャー 中将

第58.1任務群(TG−58.1)     任務群指揮官:ジョセフ・J・クラーク 少将
空母   ホーネットU(CV12)  ベニントン(CV20)
軽空母  ベロー・ウッド(CVL24)  サン・ジャシント(CVL30)
戦艦   インディアナ(BB58)  マサチューセッツ(BB59)
防空巡  サン・ジュアン(CL54)
軽巡   ヴィンセンス(CL64)  ヴィックスバーグ(CL86)  マイアミ(CL89)
駆逐   リングゴールド(DD500)  シュローダー(DD501)  ジグスビー(DD502)  トワイニング(DD540)  ハリソン(DD573)  ジョン・ロジャース(DD574)
      マッキー(DD575)  ダッシール(DD659)  ストックハム(DD683)  ウエッダーバーン(DD684)  ド・ヘブン(DD727)  マンスフィールド(DD728)
      ライマン・K・スウェンソン(DD729)  コレット(DD730)  マドックス(DD731)  ブルー(DD744)  ブラッシュ(DD745)
      タウッシグ(DD746)  サミュエル・N・ムーア(DD747)


第58.3任務群(TG−58.3)     任務群指揮官:フレデリック・C・シャーマン 少将
空母   エセックス(CV9)  バンカー・ヒル(CV17)  ハンコック(CV19)
軽空母  キャボット(CVL28)  バターン(CVL29)
戦艦   サウス・ダコタ(BB57)  ニュー・ジャージー(BB62)
軽巡   パサデナ(CL65)  スプリングフィールド(CL66)  アストリアU(CL90)  ウィルクス・バール(CL103)
駆逐   ウォーカー(DD517)  アーベン(DD631)  ヘール(DD642)  ステンブル(DD644)  バラード(DD660)  キッド(DD661)  ブラック(DD666)
      チョーンシー(DD667)  イングリッシュ(DD696)  チャールズ・S・スペリー(DD697)  オールト(DD698)  ウォルドロン(DD699)
      ヘインズワース(DD700)  ジョン・W・ウィークス(DD701)  ハンク(DD702)  ウォレス・L・リンド(DD703)  ボリー(DD704)


第58.4任務群(TG−58.4)     任務群指揮官:アーサー・W・ラドフォード 少将
空母   ヨークタウンU(CV10)  イントレピッド(CV11)
軽空母  ラングレーU(CVL27)
戦艦   ミズーリ(BB63)  ウィスコンシン(BB64)
大巡   アラスカ(CB1)  グアム(CB2)
軽巡   サン・ディエゴ(CL53)
駆逐   トラセン(DD530)  ヘイゼルウッド(DD531)  ヒアーマン(DD532)  マッコード(DD534)  フランクス(DD554)  ハッガード(DD555)
      ヘイリー(DD556)  コラハン(DD658)  マクゴーワン(DD678)  マクネーア(DD679)  メルヴィン(DD680)  ウールマン(DD687)
      ルメイ(DD688)  ノーマン・スコット(DD690)  マーツ(DD691)  ベンハム(DD796)  クッシング(DD797)  モンセン(DD798)


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