生起日:昭和19(1944)年10月24日

要  因
マリアナ沖海戦に大敗した連合(日本)艦隊は艦隊兵力の再建を図っていた。米軍はマリアナ諸島を占領すると次の攻略目標をフィリピンとし、
艦隊指揮官と名称もスプルーアンス大将(第5艦隊)からハルゼー大将(第3艦隊)へと変更されていた。
米機動部隊は、その手始めに昭和19(1944)年10月初旬、フィリピン諸島、台湾、沖縄には日本軍の航空基地に大規模な航空攻撃を行い
遂に同年10月17日、フィリピンのスルアン島へ米軍が上陸すると連合艦隊司令部は「捷一号作戦」を発動する。
第1遊撃部隊はブルネイに集結し栗田中将直率の第1部隊と第2部隊は10月22日、レイテ湾へ向けて進撃する。
栗田艦隊の任務は他の艦隊と連携を取りつつレイテ湾へ突入して同湾内の敵輸送船団及び敵上陸部隊を撃滅、敵艦隊が出現すれば
これを撃破すると言う内容だった。ブルネイを出撃してパラワン水道を通過中に重巡3隻が米潜水艦からの雷撃を受け失われたが、
体制を整え24日早朝にミンドロ島南端を通過し、タブラス海峡へ入る。実はこの頃から栗田艦隊は敵哨戒機に触接されていた。
勿論、この情報は米機動部隊へ伝えられフィリピン西方海域に布陣していた3個の任務群は集結し栗田艦隊へ航空攻撃を展開した。
タブラス海峡を通過して午前10時にシブヤン海に入った栗田艦隊は第1波攻撃(10時26分)〜第5波攻撃(15時50分)の間、
延べ259機もの敵空母艦載機の攻撃に曝されレイテ湾突入前に、またもや栗田艦隊は貴重な海上兵力を消耗してしまった。


[日本艦隊]

艦隊名:第1遊撃部隊(別呼称:栗田艦隊)   指揮官:栗田 健男 中将

(第1部隊)
戦艦   大和(艦隊旗艦   武蔵   長門
重巡   鳥海   妙高   羽黒
軽巡   能代
駆逐   早霜   秋霜   岸波   沖波   朝霜   長波   藤波   浜波   島風


(第2部隊)
戦艦   金剛   榛名
重巡   熊野   鈴谷   利根   筑摩
軽巡   矢矧
駆逐   浦風   磯風   浜風   雪風   清霜   野分

          ※重巡・愛宕、摩耶はパラワン水道で米潜水艦の雷撃を受けて沈没、高雄も同水道で雷撃され大破している。
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[米艦隊]

艦隊名:第38機動部隊             指揮官:マーク・A・ミッチャー 中将

第38.2任務群(TG−38.2)     任務群指揮官:ジェラルド・ボーガン 少将
空母   イントレピッド(CV11・任務群旗艦
軽空母  インディペンデンス(CVL22)  キャボット(CVL28)
戦艦   アイオワ(BB61)  ニュージャージー(BB62・第3艦隊旗艦
軽巡   ヴィンセンス(CL64)  ビロクシー(CL80)  マイアミ(CL89)
駆逐   ミラー(DD535)  オーウェン(DD536)  ザ・サリバンズ(DD537)  ティンギー(DD539)  トワイニング(DD540)  ヤーナル(DD541)
      コラハン(DD658)  ヒコックス(DD673)  ハント(DD674)  ルイス・ハンコック(DD675)  マーシャル(DD676)  ストックハム(DD683)
      ウエッダーバーン(DD684)  ハルゼー・ポウェル(DD686)  アールマン(DD687)  カッシング(DD797)


第38.3任務群(TG−38.3)     任務群指揮官:フレデリック・C・シャーマン 少将
空母   エセックス(CV9・任務群旗艦)  レキシントンU(CV16・第38機動部隊旗艦
軽空母  プリンストン(CVL23)  ラングレーU(CVL27)
戦艦   サウス・ダコタ(BB57)  マサチューセッツ(BB59)
軽巡   サンタ・フェ(CL60)  バーミンガム(CL62)  モービル(CL63)  リノ(CL96)
駆逐   ロウズ(DD558)  ロングショウ(DD559)  モリソン(DD560)  ケパートン(DD650)  コグスウェル(DD651)  インガソル(DD652)
      ナップ(DD653)  クラレンス・K・ブロンソン(DD668)  コットン(DD669)  ドーチ(DD670)  ガトリング(DD671)  ヒーリー(DD672)
      ポーターフィールド(DD682)  キャラハン(DD792)  カッシン・ヤング(DD793)  アーウィン(DD794)  プレストン(DD795)


第38.4任務群(TG−38.4)     任務群指揮官:ラルフ・デーヴィソン 少将
空母   エンタープライズ(CV6)  フランクリン(CV13・任務群旗艦
軽空母  ベロー・ウッド(CVL24)  サン・ジャシント(CVL30)
戦艦   ワシントン(BB56)  アラバマ(BB60)
重巡   ニューオーリンズ(CA32)  ウイチタ(CA45)
駆逐   グリッドリー(DD380)  バグレイ(DD386)  ヘルム(DD388)  マグフォード(DD389)  ラルフ・タルボット(DD390)  パターソン(DD392)
      マッコール(DD400)  マウリー(DD401)  ウィルクス(DD411)  ニコルソン(DD442)  スワンソン(DD443)

          ※第38.1任務群(TG−38.1)は当初、ウルシー環礁へ整備の為に帰投中だったので本海戦には参加せず。
             しかし急遽、本隊への合流命令が発令されたので後の海戦に参加する。


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